会社で受ける健康診断では見つからない病気まで調べてくれる人間ドック。初めて人間ドックを受けるという人が困るのが、人間ドックの施設選びだろう。毎年人間ドックを受診している人は「前回と同じところ」で選ぶことが多いが、実は「人間ドックはどこも同じ」ではない。選べるオプションの種類や数、施設の快適さなど千差万別なのが実情だ。自分に合った施設を選べば、人間ドックの満足度は大きく向上する。最近の受診傾向や人間ドックのトレンドを探りつつ、全国約1,000施設を掲載する人間ドックの比較・予約サイト「人間ドックのここカラダ」の活用術を探った。
40歳になったら人間ドック
女性は30代の受診が増えている
「職場の同僚など身近な人の病気が発覚した」「家族に勧められた」「結婚や子どもが生まれたのを機に」「著名な芸能人のがんが発覚したニュースに触発された」……。
体の衰えを感じる年齢になると、健康意識が高まるのが人の常。そこに背中を押す出来事が起こったことで、人間ドックの受診に至るケースは多い。
“体の状態を調べる”という意味では、企業に勤める従業員が受ける健康診断も自費で受ける人間ドックも同じだ。大きな違いは検査する項目の数。法律で定められている法定健康診断の検査項目は10〜15項目であるのに対し、人間ドック学会が定める基本検査項目は、眼底検査、腹部超音波検査などを含み、さらにオプション検査なども加えると、50~100項目と圧倒的に調べる項目が多い。
リクルートライフスタイルが運営する、人間ドックの比較・予約サイト「人間ドックのここカラダ」の予約データによれば、人間ドック(婦人科健診を含むコースは除く)を初めて予約した人の年齢別割合では40歳が最多となった。「40歳から受診費用の補助が出る健康保険組合や企業・自治体などがあることや、40歳を節目の年ととらえる人も多いからと考えられます」(西本伸行・リクルートライフスタイル ヘルスケア情報営業統括部事業推進部部長)という。
人間ドックには通常、がん検査が含まれており、女性の場合、乳がんや子宮がんなどに罹患した芸能人の報道が相次いだこともあって、30代で受診する人が増えている。
人間ドックを受ける人の受診頻度は1~2年に1回が一般的である。「人間ドックのここカラダ」で人間ドックを選ぶ人の場合、約半数が1年に1回受診しているという。受診者の多くは初めて検査した施設のリピーターになることが多く、通常、他の施設と比較することは珍しい。「人間ドックはどこで受けても同じ」とみられているのだろう。
しかし、どの施設の人間ドックも同じ、という訳ではない。