銀行口座を使わずに、企業から個人に宛てた送金をセブン銀行ATMで受け取れるのがセブン・ペイメントサービスの「ATM受取」だ。メリットは銀行振込や現金書留に比べ、送金の労力とコストを大幅に削減できること。幅広い業種の企業が返品や解約に伴う返金だけでなく、様々な用途に利用し始めている。
代表取締役社長 和田哲士
企業から個人への送金が銀行口座を介さずにATMで受け取れるこのサービスは日本初の取り組みだ。セブン銀行の子会社、セブン・ペイメントサービスの和田哲士社長は開発コンセプトを次のように話す。
「当社のグループ企業でもEコマースの返品やチケットのキャンセルに伴う返金に苦労していました。個人への送金方法としては銀行振込や現金書留などがありますが、銀行口座情報は取得や管理の手間が負担になるし、現金書留にしても送金するためには相当な労力とコストがかかります。そこでグループ力を活かして送金をもっと簡単、スピーディーにできないかと考えたのが始まりです」
個人への送金をもっと
簡単・スピーディーに!
そして誕生したのが銀行口座不要の「ATM受取」だ。これを使えば、個人への送金はいたって簡単。企業はセブン・ペイメントサービスが提供する専用ポータルサイトを使って送金依頼を行う。必要な個人情報はメールアドレスまたは携帯番号のみだ。送金限度額は1件10万円まで(犯罪収益移転防止法に基づく)。
依頼を受けたセブン・ペイメントサービスは受け取りに必要な情報をリアルタイムで受取人にメールまたはSMS(ショートメール)で送信する。あとは、受取人がセブン銀行ATMに受取情報を入力するだけ。紙幣はATMで、千円未満のお金はATMから出てくるレシートをセブン‐イレブンのレジに提示すると受け取れる。千円未満のお金は電子マネー「nanaco」へのチャージ、募金を選択することも可能だ。
受け取りは原則、24時間・365日、セブン‐イレブンやイトーヨーカドーなど、全国各地に約2万5000台設置されているセブン銀行ATMでOKだ。