ブランディングの視点から
ECサイトの新たな価値を創造
企業のECサイトでは、売り上げだけを追い求めるのではなく、別の目標を設定することも効果的だと尼口氏はアドバイスする。その一例として同氏が挙げるのが、blenderが運営するコスメティック・ブランド「retaW(リトゥー)」のECサイトである。
すでに小売り流通のネットワークを持つ同社から相談を受けた尼口氏は、ブランディングの要素を取り入れ、小売業者の営業支援にもなるようなECサイトを構想。“高級ホテルのアメニティに選ばれるような”ブランディングを提案する。
「この提案が採用され、retaWの世界観を全面に出したサイト作りを行いました。ブランディングの考え方を取り入れたからこそ、通常のECサイトにないアプローチを取れたのです」(尼口氏)
その効果もあり、サイトの売り上げは伸長傾向にあるという。
迅速な“売り場改善”を図る
ECシステムを自社開発し提供
こうしてブランドの魅力を生かす形で多くのECサイトの刷新を支援してきたネットコンシェルジェは201年1月、ECサイトシステム「MTコマース」の提供を開始した。
これまで同社は、ECサイトを構築する際に他社製システムを使ってきたが、システム上の制約やコストの問題から顧客企業の要望に応えられないケースが少なくなかった。そのジレンマを解消するために開発されたのがMTコマースである。
「店舗の売り場と同様、ECサイトも利用者の使い勝手を考え、日々改善していかなければなりません。しかし、既存のECサイトシステムには、このスピード感に応えられるものがありませんでした。『それなら』と自分たちで開発したのがMTコマースなのです」(尼口氏)
手軽に使えるブログサーバをベースにしながら、受注や在庫、クーポン管理などECサイトに必要な機能をフル装備、さまざまな要望に柔軟に対応でき、しかも安価な点が特徴だ。
ブランディングの視点でECサイトの課題を洗い出し、向かうべきゴールを提示し、かつ、そこに至る近道としてのシステムも提供する。
こうして企業ECサイトの改善をワンストップで支援し、収益構造の刷新を提案できることが、ネットコンシェルジェの最大の強みなのである。