グルンドフォスが実施する「ポンプ省エネ診断」を受け導入に至った企業のひとつが、横浜ゴムの新城工場である。では、同社のポンプ導入前後では、電力消費量にはどれだけの違いが生じたのか? 実際に導入した新城工場を訪問し、現場の声を聞いた。

横浜ゴム 新城工場、工場長 野呂政樹氏(左)と同 設備課 ボイラー主任 服部健一氏(右)

 静岡県との県境付近に位置する横浜ゴムの新城工場(愛知県新城市)。同社は「ADVAN」のような高付加価値商品に強みを持つ、世界有数の自動車タイヤメーカーとして知られるが、新城工場は国内4ヵ所の主要生産拠点の中で、高排気量の乗用車用に重点を置いた高性能タイヤの生産を行っている。同工場にとってポンプはまさに心臓部のような存在だ。服部健一ボイラー主任はこう説明する。

  「私どもの工場では、冷却塔などの冷却への用途、水圧などの動力への用途へ水を使用しており、ポンプは極めて重要な役割を果たしています」

ポンプ置換によるシステムの効率化で
消費電力が半減

他社製から、このグルンドフォスのポンプ(HydroMPC-EF 4CR90-2-1)に交換したことで、年間420万円もの節電効果を生んでいる。新城工場では他にも2台のポンプを交換、トータルで年間750万円以上の節電効果を上げている
※ 電気料金は14円/kWh で計算

 折しも横浜ゴムでは、全ラインナップで「環境貢献商品」化を図る新方針「グランドデザイン100(GD100)」が掲げられていた。創業100周年を迎える17 年度までに「トップレベルの環境貢献企業」をめざすという取り組みである。そして、新城工場でも環境対策という観点に立ち、創業当時から使用してきたメインポンプの交換を検討中だった。

  「単に古くなったポンプを更新するだけでは、大きなメリットは得られません。すべての工場が積極的に環境対策を進めていたこともあり、まず省エネ化は必然でした。加えて日々のメンテナンスにかかるコストなども鑑み、弊社では当初、初期投資のコストを5年で回収できれば、と考えていました。実際には想定以上の成果を達成でき、配管周りの交換など、ポンプ以外にかかったコストを含めても、2.6年程度で回収できそうな見込みです」

 こう語るのは、新城工場の野呂政樹工場長。グルンドフォスから提案を受けて「ポンプ省エネ診断」を実施したところ、従来ポンプの消費電力は想定以上に大きかったという。

 「測定値に誤差はつきものですし、最初は文字通り“半信半疑”のスタンスでした(笑)。それにしてもポンプの消費電力があまりに大きく、驚いたのも事実です。万一、仮に“話半分”であったとしても、導入するメリットは大いにあるなと考えました」(服部主任)

 無論、併せて他社製品も比較検討したが、「トータルではグルンドフォスのものが最も優れている」と服部主任たちは結論づけたそうだ。

 導入後の省エネ効果は驚異的なレベルだった。水の流量は依然とほとんど変わらないまま、消費電力量が半減したのだ(下図)。

※ 電気料金は14円/kWh で計算