ポンプ単体の省エネ性だけではなく
自動制御によるコスト削減効果も

ポンプ省エネ診断により導入された2つ目の自動給水ユニットHydroMPC-E 3CRE32-6。グルンドフォス独自のインバータ内蔵型電動機が搭載されており、ポンプのデータがインプットされた制御ユニットCU351との連携により、常にポンプ効率が最高になるよう運転を制御することで大きな省エネ効果が得られる

「もう一つの大きなポイントは、制御性でした。私どもの工場の場合、水の使用量は常に一定ではなく、工程やラインの稼働状況などで変動します。にもかかわらず、いったんスイッチを入れると水を使っていない局面でもポンプが回り続けたり、大量使用時に出力が追いつかなかったりというムダやトラブルが発生しがちでした。

 その点、グルンドフォスの製品は制御盤内のコントロールユニットにより、需要に応じて回転数や稼働台数などが自動で制御されるだけでなく、インプットされたポンプの特性を見ながら、常に最高効率での運転が行えます。ポンプの稼働が最適になるよう自動で管理されることで、エネルギーも人的コストも削減できるうえ、ポンプへの負荷も軽減できます」(服部主任)

グルンドフォスの立形ポンプを設置した様子。地面にうっすら残っているのは、以前設置していたポンプの跡。省スペース効果も高いことがよくわかる

 これらの成果を踏まえ、横浜ゴムは三島工場でもグルンドフォス製のポンプ導入に踏み切ったほか、平塚製造所でも導入を検討しているという。

  「不測の圧力ダウンとも無縁になったし、音も静か、立形で省スペース設計なのも嬉しい。それまでの横形はあまりに大きくて威圧感がありましたから……。ポンプの交換で空いたスペースには、私の喜び(満足感)を置いていますよ(笑)」(服部主任)

工場の省エネ化とともに緑化にも注力する横浜ゴム

  「トップレベルの環境貢献企業」をめざす横浜ゴムは、創業100周年を迎える2017年度に向けて「YOKOHAMA千年の杜」という大規模プロジェクトを推進中だ。

  07年からスタートしたもので、植物生態学者である横浜国立大学の宮脇昭名誉教授の指導の下、同社の国内外の全生産拠点(国内7カ所、海外11カ所)において約50万本を植樹するという計画である。新城工場では昨年までに約3万本を植樹し、社外へ約5万本の苗を提供し植樹された。今年は合わせて10万本まで拡大することを目標に掲げているという。単に生産拠点の省エネに努めるだけではなく、緑化を進めてCO2を吸収させるというアプローチからも環境保護に取り組んでいくのがその狙いだ。

 また、東日本大震災では針葉樹のよりも根を深く伸ばす常緑広葉樹のほうが津波によく耐えていたことから、東北各地で採れたドングリを横浜ゴムの各工場で発芽、育苗したうえで震災被災地域に植樹する震災支援業活動も進行中。新城工場でも約4500本を育苗している。

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