時計愛好家が絶賛するスイス時計は、どれも高価で手が届かない。そんな“常識”を破った時計ブランドをご存じだろうか? 1988年に創業した新進気鋭の時計ブランド、フレデリック・コンスタントだ。
日付針、月齢表示を備えた自社製薄型ムーブメントを搭載。ローズゴールドプレート・ステンレススティール、ケース径38.8mm、3気圧防水、自動巻き、アリゲーターストラップ。43万4160円(税込み)
スリムライン パワーリザーブ マニュファクチュール(右)
50時間パワーリザーブ、日付針付きの自社製薄型ムーブメント搭載のクラシックな新モデル。ステンレススティール、ケース径40mm、3気圧防水、自動巻き、アリゲーターストラップ。45万3600円(税込み)
※2019年9月9日時点の税込み価格です
機械式ムーブメントまで
自社工房で一貫製造
フレデリック・コンスタントは「マニュファクチュール」として今、最も注目されているスイスの新進時計ブランドだ。
創業は今から31年前の1988年。ピーター・スタースと妻のアレッタ・スタースが二人で立ち上げた。そして94年に発表した、機械式ムーブメントの時を刻む心臓部であるテンプの動きを、文字盤に穴を開け、いつでも目で楽しめるように工夫した「ハートビート」モデルでブレーク。さらに04年には「マニュファクチュール」となり、時計愛好家にも人気の存在となった。以来、29種類の自社製ムーブメントを開発している。
この「マニュファクチュール」というフランス語は、時計の世界では特別な意味を持っている。それは時計の “エンジン” である機械式ムーブメントまで自社で開発・製造している本格ブランドを意味する。機械式ムーブメントはアナログな精密機械の一つの究極。その開発・製造には特別なノウハウ、多額の設備投資が必要だ。それでも同社は、あえて自社での開発・製造に乗り出した。その理由は「理想の時計作り」を実現するため。
ムーブメントの専門メーカーが開発・製造して販売する汎用ムーブメントは、機能や針の位置が決まっている。だから、それを使って行う時計作りには、機能やデザインの面で大きな制約がある。
しかし、自社でムーブメントを独自に開発・製造すれば、デザイナーが思い描いた通りの機能やデザインの時計作りができる。
こうして生まれたフレデリック・コンスタントの時計は、機械式として最先端の機能と、スイス時計の伝統を継承するクラシックなテイストと現代的な感覚が融合した、洗練されたデザインが魅力。
さらに同社の自社製機械式ムーブメントを搭載した時計にはもう一つ、他社にはまねのできない特別な魅力がある。
それは、名門時計ブランドの製品に負けない高度な機能や凝ったディテールを備えながら、他の時計ブランドでは実現できない〝手の届く価格〟を実現していること。
これは創業者スタース夫妻の理想が今も貫かれているからだ。