高品質の砂と強固な
ロジスティクスで成長

 ルナサンドが採砂するのは、“砂のプレミアムブランド”と呼ばれる青森砂。粒形に優れ、塩分を含まず、適度な硬度と比重を持つ砂であり、その高品質の砂を顧客の用途に合わせて精密に加工、付加価値の高い製品作りで、同社は成長を続けている。

 USGA(全米ゴルフ協会)スペックに適合する砂は全国のゴルフ場で、競馬場ではナイター照明に映える砂が使われている。特にダートコースでは高いシェアを誇る。また、コンクリートの劣化を防ぐため粒度調整された砂は、建設用資材の生コン向けに多く出荷されている。加熱処理した焼砂は地下燃料タンクの埋め戻しに使われ、水の浄化や濁度除去に用いられる工場用ろ過砂は、食品工場や上下水道で導入されている。ラグビーワールドカップの会場として話題になった釜石鵜住居(うのすまい)復興スタジアムの芝生の下に使われているのも同社の砂である。

砂を積み出す、むつ小川原港。
ルナサンドでは、1600トンと1500トンの砂利運搬船をチャーター、全国に張り巡らされた物流網を活用して運搬を行う

 同社のもう一つの強みは、全国に張り巡らされた物流ネットワークだ。「当社では2隻の砂利運搬船をチャーターしており、取引先主要港にストックヤードを設置、多数の大型ダンプカーを所有して、地上と海上に全国的な物流スキームを構築しています。今年9月から、そのネットワークを活用して物流事業を本格的にスタート、緑ナンバー(営業ナンバー)も取得し、日本全国で砂以外の商材を扱う物流サービスも開始しています」(原田社長)。