豊富な埋蔵量を誇る青森県の採砂場から、高品質の砂を全国に供給するルナサンド。強固なロジスティクスを通して、復興支援にも尽力してきた。今年度から物流事業を本格的にスタート、他業種とのアライアンスにも積極的で、砂の可能性を世界に広げている。

世界的な「砂不足」の中で多様化する砂へのニーズに対応する六ヶ所村から採砂した砂は、野辺地プラントで加工される。
ここで洗い・研磨を行い、粒度や色合いの統一を行う。
写真左から3番目が原田社長

 今、世界では砂不足が深刻になっている。コンクリートの材料にもなる砂は、必要な量を近くで賄う地産地消が前提になるが、急速な都市開発などで地元の砂だけでは供給が追い付かなくなっている。国土の狭いシンガポールやドバイ(アラブ首長国連邦)などでは、周辺の国々や遠くオーストラリアなどから砂の輸入が行われているという。

 日本国内で砂不足が問題になったのは、東日本大震災における復旧・復興時。崩壊したインフラ整備のための砂が不足した。そこで活躍したのがルナサンドだ。

 「当社では、特に被害が大きかった石巻市(宮城県)を中心に生コン用の砂や、三陸沿岸の浸食された魚礁復旧のための砂を提供してきました。それを可能にしたのは、当社が六ヶ所村(青森県)に広大な採砂場を保有し、採取から精製、保管、加工までをワンストップで行い、強固な物流ネットワークを持っていたからです。インフラ整備には継続的な努力が必要で、現在も引き続き東北地方の復興に貢献してゆきたいと思います」と同社の原田路子社長は語る。