さらに不安なのは、原油の品質の違いである。日本が中東地域からの輸入に頼っているのは、精製設備等々が中東産石油の処理に適した仕様になっているからだとすると、「簡単に他地域から買ってくればいい」ことにはならないだろう。
中東地域依存が危険だといわれて数十年もたつのに状況が変化していないのだから、今後も簡単には変わらないのかもしれないが、ここは他地域産石油の精製ができる設備を増やすなどの努力をして、他地域からの原油(およびLNG)の輸入を増やすべく努力していただきたいものである。
コストはかかるかもしれないが、それは安全保障のための「保険料」と捉えるべきであろう。日本以外は中東への依存度が低下しているのであるから、日本にできないはずはない。
トランプ大統領の中東関与は安心材料に?
米国が原油の純輸出国となったため、米国が中東地域に関心を持たなくなることが心配されていたが、とりあえずトランプ大統領は中東地域に関心を持ち続けているようである。これは、原油の輸入を中東に頼っている日本などにとっては安心材料であろう。
以下は余談であるが、今回はトランプ大統領の圧勝だったという見方があるようだ。米国などにとって目障りなイランの過激派司令官を殺害し、米国の国益に貢献したのみならず、強い姿勢を選挙民にアピールでき、しかも本格的な対決は回避されたのだから、言うことはないだろう。
世界の独裁者たちの中には、米国に抵抗したり米国を挑発したりする動きも見られるが、そうした独裁者たちも「トランプ大統領は他国の人間を平気で殺害する」ことが分かった今、これに恐れをなして静かになるかもしれない。荒れ玉の投手は打たれにくい、ということだろうか。
もっとも、司令官殺害が今後の報復テロ等を招きかねず、こうした楽観的な結論を出すのは早いかもしれない。



