就活を終えた大学生は、その後勉強しない人が多いようだ。だが、学生の本分は学業であり、人生において学業に専念できる貴重な時間でもある。内定が出た後にも、学生が学び続けるよう促す制度を作ってはどうか。今回はその点について考えてみたい。(経済評論家 塚崎公義)
大学1年生に内定が出せるようになったら?
現在、大学生の就職活動は、4年生の6月以降に面接、10月に内定という日程となっているが、政府はそれを緩和する方向で検討しているようだ。専門性の高い人材が対象ということだが、大いに結構なことなので、すべての学生を対象としてもらいたいものだと思う。
現状では、内定を受けた学生は、残りの大学在学期間中、勉強をしなくなるため、内定時期を早めることに抵抗を感じる大学関係者も多いようだ。だが、ここは発想を転換して、いっそ企業が内定者に勉強するように促せば良いのではないだろうか。
具体的には、例えば、企業が大学1年生に内定を出し、内定者とよく面談して「何をどのように学ぶのか」を指示し、それが達成できた学生には入社時の配属先の希望を優先的に聞いてやる、という制度を作ってみてはどうか。すると、学生はしっかり勉強するようになるのではないだろうか。今回は、大学1年生に内定を出したら……という仮説を立て、そのメリットについて考えてみたい。