さらに、Sチャートを元に、単位業務を1ブロックとして業務の流れを把握することができるB(ブロック)チャートが自動生成される。Bチャートはマネジャーが作り、業務を広い単位で把握し、改善を図るために活用できる。

 そしてBチャートをまとめ、さらに大きな単位で業務全体を階層化したものがM(マネジメント)チャートだ。Mチャートは、経営者が業務の構造をより広い範囲で見て、全体の最適化や組織の活性化、リードタイム短縮への改善に役立てることができる。

 HIT法で業務を分解していくと、90%以上の業務が誰でもでき同じ結果が得られる業務だったことが判明し、驚く人も多い。本当に専門性が高く、カン・コツ・ノウハウが必要なのは、「新製品開発のためのアイデア出し」といったごく一部の業務だけで、それ以外はほとんどが共有化できる業務なのだ。

HIT法で仕事が楽しくなる!

 今回、開催する体験講座では、HIT法の考え方や、基礎となるチャートの作り方、マニュアルの作り方などを一通り講義する。HIT法のツールの使い方を知るなかで、自分自身の仕事を明確にする方法、業務の改善の仕方についても勉強できるようになっている。ニーズのある方は積極的に参加してください。

 HIT法のツールは簡単ではあるが、ある程度の慣れがなければ精度の高いチャートが作れないのも事実。ただ、実際にHIT法を導入していくなかで次第に慣れていき、精度が高いチャートを作れるようになると、改善への着眼点も多数見つかり、目に見えて成果が上がるようになる。

 すると非常に面白くなり、HIT活動にどんどん熱が入っていく。HIT法を導入した多くの企業で、活動が加速度的に活発化する例を見てきた。

 HIT法は楽しいのだ。私は、仕事は楽しくやるべきものだと思っている。多くの企業にHIT法を活用してもらい、可視化や改善活動を楽しく実施し、仕事自体を楽しいものにしていただきたい。

 HIT法を職場に導入した場合の進め方には、「トップダウン型」「ボトムアップ型」「一人型」がある。次回はこれらの進め方について具体的に解説していく。