出会いと共創、生産性向上を実現する
進化形コワーキングスペース

いまやイノベーションの創出は一企業のみならず、オールジャパン、社会的な課題である。働き方改革と生産性向上もまた、喫緊の解決を迫られている。これらの実現を支援する場として期待が高まっているのが、新スタイルのコワーキングスペースだ。

コワーキングスペースに
対する新たなニーズ

左|東京建物 シェアオフィス事業+OURS担当 課長代理 谷口 誠 MAKOTO TANIGUCHI
右|東京建物 ビル事業企画部 部長 福井弘人HIROTO FUKUI 
ビル事業企画部では、シェアオフィス事業、コワーキングスペース事業も推進する。東京・八重洲と新宿の交通至便な拠点でビジネスを展開。

 従来、コワーキングスペースの利用者は、ノマド・ワーカーなどフリーランサーが主だった。仕事の場としてはもとより、他者との交流から有益な情報を得たり、仲間づくりなど、個で働く人々のコミュニティづくりの機能が求められてきた。

 これに対して、「最近では、大企業もコワーキングスペースに注目するようになっています」と指摘するのが、東京建物・ビル事業企画部長の福井弘人氏だ。

 その背景には2つの理由がある。一つは大企業がオープンイノベーションを志向し、新たなビジネスモデル創出に期待のかかるスタートアップ企業などとの連携を視野に入れ始めたからだ。「スタートアップ企業が集うコワーキングスペースが、イノベーションのシーズが集まる場と評価されています」と福井氏は語る。

 もう一つは、働き方改革で浮かび上がった課題を解決するためだ。「出先で作業できるスペースがあれば、効率が高まり時短につながります。多様な働き方を許容する中で、働く場もまた多様であっていいし、副次的な効果もあると判断する企業が増えてきました」と福井氏。

 集中できる場での作業による生産性の向上や、他の利用者との交流で従業員のモチベーションアップなども期待できるわけだ。

 このような潮流を受けて、東京建物は新たなスタイルのコワーキングスペース「+OURS」をオープンした。谷口誠氏は「運営者である当社を含めた施設利用者にとって、〝私たちの居場所〟と感じられる施設にしたいという思いに加えて、新しいアイデアを育み、ビジネスの可能性を広げて新たなプラスを生み出す場との意味を込めました」と語る。

 その思いを実現するためのさまざまな仕掛けが+OURSにはある。まず、注目したいのは立地だ。東京・八重洲に続き、新宿にもオープンした理由は、都心のメガターミナルという点だ。「八重洲は、新幹線で各地につながり、新宿もバスターミナルが間近で、地方と東京の結節点です。都内各所へのアクセス至便で、都心拠点としての利便性が高くなっています」(谷口氏)。

 スペース内の設備・備品も充実している。+OURS新宿はコワーキングスペースとサービスオフィスから成る。49階の高層からの眺望を共有できるよう、窓際にカウンタースタイルのデスクなどを配置。利用者などが交流しやすいコミュニケーションゾーンに加えて、集中して作業できるコンセントレーションゾーンも設けた。

 専用オフィスとして使えるサービスオフィスは、1〜16人が利用できる多様なスペースを用意。さらに、大小の会議室も備える。受付では受発送物の取り扱いやコンシェルジュ業務を担当。OA複合機やシュレッダー、ロッカーなども利用できる。

「作業に集中するためのユニークな1人用ブースは、社内で試して評価が高かったものです。リフレッシュするために必要な施設として、シャワールームやリラックスルームを設置しています」(谷口氏)。

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