投資で利益を得るためには相応の知識と、相場と対峙する時間が必要――。そうした常識を覆すのがFX(外国為替証拠金取引)における「選択型シストレ」と呼ばれる商品だ。プログラム(=ストラテジー)による自動売買で本格的なトレードを実践できる。

 もはや、相応のリスクを取らなければ資産を殖やすことはかなわず、貯蓄から投資の時代へと世の中が変わったことは重々承知している。為替相場の変動を利益に結び付ける​F​X​なら、比較的少額の資金から始められて大きなリターンを追求できるという話も耳に入っている。しかしながら、成果を上げるためには、相場と正面から向き合い、緻密な分析と冷静な判断に基づいたトレードを実践しなければならない。とてもそこまでの時間は割けないし、専門的な知識も持ち合わせていない……。

 ​F​X​に関心を示しながらも、こう考えて二の足を踏んでいるビジネスマンは少なくないようだ。ところが、そういった人のニーズに応えるサービスも登場している。

プログラムされた投資戦略にのっとり、
自動的に売買する

 結論から言えば、選択型シストレと呼ばれるものがそれだ。シストレとはシステムトレードの略で、「相場がこう動いたら買い注文を入れ、こう動いたら売り注文を出す」などといった一定のルールがプログラミングされたシステムを用い、オートマチックに売買を繰り返す取引方法だ。つまり、従来のトレードのように、その場その場で自分なりの判断を下す必要がない上に、相場をずっと凝視していなくても済むのだ。

 ルールについては、自分自身で考えてプログラミングするタイプのシストレもあるが、選択型の場合はその手間が無用である。選択型シストレでは、投資のプロが考案したストラテジーと呼ばれる投資戦略プログラムがあらかじめ用意されている。その中からこれぞと思うものを選べば、後はシステムが選択されたルールにのっとって自動的にトレードを行う。

 投資対象(通貨ペア)や運用期間などが異なっている複数のストラテジーを同時に運用すれば、リスクを抑えながら安定的にリターンを追求するという本格的な運用も可能だ。あるストラテジーにおいて予想外の損失が生じてもリスクは分散され、別のストラテジーの利益で損失をカバーする、といった効果も期待できる。

 このように、「知識」や「時間」がなくてもすぐにプロ同様のトレードを始められるのが選択型シストレの大きな魅力だ。FXに挑戦して失敗した過去がある人や今まで尻込みしてきた人たちなどの間で話題となり、同サービスの口座数も伸びているという。

 ただし、最低限の注意点もある。それは、ストラテジーと​F​X​会社の選別には慎重になることだ。とはいえ、決して難しい判断を迫られるわけではない。ポイントさえ押さえておけば、ビギナーでもセレクトすることが可能だ。