ファミリータイプの
買取り再販事業を本格化
同社では今年から、買取り再販事業を本格的にスタートさせた。対象となる物件はファミリータイプの物件のみで、区分マンションや一戸建てが中心になる。ワンルームなどの投資用物件は、同社の顧客と競合になるために扱わない方針だ。
この事業を本格化した背景には、管理物件のオーナーから売却や新規物件購入を希望する相談が増加してきたことがある。また、競売物件などの情報を早い段階で収集できる利点を生かし、任意売却や競売落札を行うようになったのも理由の一つだ。
事業内容は、入居中の物件の明け渡しを依頼、退去後にリフォームやリノベーションを行い、仲介業者を通してエンドユーザーに売却するというもの。事例としては、都内の一戸建て住宅をリノベーションし、顧客の要望で1階部分をスケルトン状態にし、店舗や事務所などの利用を可能にした状態で販売した物件があるという。前7月期の売り上げのうち、買取り再販事業は売上比率で16・3%。今期は売上比率で30%を目指し、事業の新たな柱として成長させていく考えだ。
不動産の総合管理から
新たなフィールドへ
同社社員の平均年齢は約33歳と若く、顧客の要望に対して「すぐに動ける機動力」も売りの一つだ。社名の「サン(SUN)」はお客さまに対して常に明るい対応をということで「太陽」という意味もあるが、事業を通じて「感謝」「感動」「共感」という三つの感覚(フィール)を大事にしていこうという企業理念も含まれている。
「個人的には、企業家として社会貢献をしたいという思いがあります。現在進んでいるプロジェクトに、少子高齢化に対応し、1階を保育所にリニューアルして、2階以上を居住用にするという中古マンションの再生があります。将来的には一戸建ての開発も手掛け、周辺の公園などの管理も含めて理想のコミュニティを提供していきたいと考えています」
不動産の総合管理という出発点を生かしながら、新たな不動産のフィールドへ事業を拡張していくつもりだ。