電話設備が不要で
コスト削減が可能
そこで、「固定電話でも私用電話でもない、新たな解決策となるのが、クラウド型ビジネスフォンサービス『トビラフォン Cloud』です。従来のビジネス電話にイノベーションを起こしたいと私たちは考えています」とトビラシステムズの明田篤(あきた・あつし)社長は語る。
トビラフォン Cloudは、スマートフォンに専用アプリを入れて使う。個人のスマートフォンを使用する場合、個人の領域と会社の領域を分け、会社の領域はクラウド上で管理する。テレワークのためにわざわざ携帯電話やスマートフォンを会社支給することなく、使い慣れた個人のスマートフォンで通話料の公私分計や情報管理が行える。
トビラフォン Cloudのシステムはクラウド上に置かれ、企業はサービスとして利用する。従来のビジネス電話システムのように、オフィスに設置する交換機や固定電話は不要だ。初期費用はもちろん、オフィスのレイアウト変更や異動時の電話配線の工事費、設定変更の手間やコストがかからず、大幅なコスト削減が可能になる(図1)。
また、スマートフォンでありながら、ビジネス電話と同様の外線・内線・グループ着信・保留・転送といった機能を利用できる。外線の発信は050番号を使い、その通話料は企業に請求される。社員同士、拠点間の内線通話や電話転送料は無料だ。
かつては050番号を会社で使うことに抵抗があり、「03」「06」「052」といった市外局番にこだわる人もいた。「この市外局番の呪縛から解かれれば、電話はもっと自由に使えます」と明田社長は強調する。050番号であれば、オフィスを移転しても全国どこでも同じ番号が使え、顧客・取引先に電話番号の変更を伝えたり、名刺を作り替えたりする必要もない。
トビラフォン Cloudの基本セットでは、外線電話番号を二つ割り当て、2チャンネルの外線同時通話が可能だ。内線の割り当ては5人までとなっている。外線電話番号や内線数を増やす場合は、基本セットを追加する。申し込みはウェブで行う。企業側の設備が不要で、最短翌営業日から利用することができる(図2)。