本物のプロジェクトを新人だけで進行
宮田寛子 人材育成部長 フェロー
浦川社長は「変化を面白いと思える人材」と表現したが、それは「自分がやったことのない分野にも果敢にチャレンジする人、チャレンジを楽しめる人のことです」と宮田寛子人材育成部長は言う。例えば、同社のような巨大グループ企業に入社した新卒社員の成長プロセスは、“上司の指導を受けながら何年かかけて仕事を覚え、十分に実力が付いた時点でチャレンジを許される”というイメージを持つ人も多いだろう。が、同社は違う。「1年目、2年目でチャレンジしてもらい、その楽しさやプロジェクトを成し遂げた充実感を知ってもらいます」(宮田部長)。
同社の教育・研修スケジュールを表した下の図を見ていただきたい。「導入・基礎研修」では社会人として仕事をすることへの意識を高め、社会人として、同社社員として知っておくべきルール(制度)を学ぶ。続く「IT基礎技術研修」では、2〜4カ月の時間をかけてITの基礎技術を習得する。そして、「Fast Path(ファストパス)」と呼ぶ同社独自の“実技”に移る。
「新人だけでプロジェクトを立ち上げ、1500人の全社員が利用する社内システムを実際に開発します。人材育成部が管理・所管しているシステムを扱うことで、安心が担保された中で全工程を学んでゆくので、疑問点をクリアしつつ丁寧な学びができます。また、“プロジェクト計画書”は経験が10年、20年のベテランが書くものですが、それを新人時代に経験することで、事前準備をすることの意味、お客さまの合意をいただくためにやるべきことなどを徹底的に学びます。計画通りにいかないことがほとんどで、時には困難にぶつかることもあります。それを乗り越える術を1年目から経験し会得していくことができるのです」(宮田部長)
3年目で正式配属が決まるが、そこはゴールではない。
「毎年、自らのスキルを棚卸しし、さらなる向上を目指す計画を立てて、上司と合意し、それにのっとって自己研さんして成長していきます」(宮田部長)。その後も高い技術力を有する社員や高い組織マネジメント力を持つリーダーを評価するための透明度の高い人事制度「スペシャリティ認定制度」により、自分のスキルや専門性を明確に認識し、自己研さんに役立てる。この制度は2020年度IT賞(日本IT協会)を受賞し、取り組みが認められた。
このように、どのステージにも対応する教育・研修制度が用意されているところに同社の特徴と、人材育成制度に懸ける意気込みが見て取れる。
これから大きな変化に挑むことになる保険業界、子会社の枠を超えて「変化を楽しみながら成長できる、面白い挑戦」がたくさん用意されている。
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