2021年2月10日、USEN-NEXT HOLDINGSは「社長発掘プログラム " CEO's GATE "」(以下、社長発掘プログラム)を開始した。同社では「100人の社長、100の事業会社を創造し、1兆円企業グループを目指す」という中長期ビジョンを掲げている。このビジョンに合わせ、USEN-NEXT GROUPで社長になりたいという人を100人募集するというプログラムだ。
参加資格は特になく、年齢・性別・国籍・経験等はすべて不問。3月18日に代表取締役社長CEOの宇野康秀氏が登場し、GROUPの沿革・展望、求める社長像などについてのプレゼンと、経営陣のパネルディスカッションを行う、本プログラムのオンラインイベントが開催される。その後の面接を経て合格すれば、即、同グループの事業会社の社長に就任、あるいは将来の社長候補として同グループに参画することになるという。
社長を公募、しかも100人というのは非常に大きなインパクトがある。何を狙って同社がこの取り組みを始めたのか、そして、どんな人材を求めているのか。宇野CEOに話を聞いた。
有線放送の会社が、コンテンツ配信のデジタル企業になった理由
社長発掘プログラムについて掘り下げる前に、USEN-NEXT HOLDINGSがどのような会社なのかをまず明らかにしたい。
USEN(有線)といえば、昭和のアナログ世代には「多くの飲食店で音楽を流していた有線放送の会社」という印象だろうし、デジタル世代にとってはコンテンツ配信を手がけるネットワークの会社というイメージになる。
このアナログ時代からデジタル時代への移行を成し遂げたのが、創業社長の次男である宇野氏だ。大学を卒業してリクルートコスモスに入社したあと、人材派遣業のインテリジェンス(現パーソルキャリア)を立ち上げるなど、ベンチャー畑を歩いていた。
しかし、1961年に大阪有線放送社を創業し、育てた父の宇野元忠社長が1998年に急逝。宇野氏はインテリジェンスを辞めて、大阪有線放送社を受け継ぐことになる。2000年には「有線ブロードネットワークス」に社名変更。その後、2005年に「USEN」へ社名変更し、いち早く光ファイバーを使ったブロードバンド放送サービスに進出、また動画配信サービス「GyaO」などを手がけることとなり、USENという名が広く知られるようになる。
GyaOはその後映像配信サービス「U-NEXT」にブランド変更。2017年には事業再編でUSENを吸収合併する形で、USEN-NEXT HOLDINGSが誕生した。現在、宇野氏はUSEN-NEXT HOLDINGSのCEOとして、USEN-NEXT GROUP全体を率いる立場にある。