事業承継の課題を抱える中小企業を支援

中小企業の後継者問題が深刻になっている。だが、どこに相談していいのか分からないという経営者も多いのではないだろうか。企業存続、事業譲渡の可能性を探る「入り口部分から相談できる」公的機関がここにある。

事業承継の課題を抱える中小企業を支援東京都事業引継ぎ支援センター
木内雅雄
プロジェクトマネージャー

 経営者の高齢化と後継者不在が深刻化する中小企業にとって、事業承継は差し迫った経営課題である。2020年版「中小企業白書」(中小企業庁)の「事業を承継した社長の先代経営者との関係」によると、息子や娘を後継者とする「同族承継」の割合は下がり続けており、17年の41.6%に対し19年は34.9%まで低下した。半面、内部昇格を含む親族外承継の割合は増加。第三者に事業を承継させる方法が中小企業を次世代につなぐ有力な選択肢となりつつある。

 では、親族外承継を検討する場合、どこへ相談すればいいのだろう。不用意に後継者問題が表面化すると、あらぬうわさが飛び交うことにもなりかねない。

「東京都事業引継ぎ支援センター」の存在はご存じだろうか。東京商工会議所が「産業競争力強化法」に基づき、国から委託を受けて実施している事業で、第三者への会社(事業)の譲渡(M&A)を支援する公的な機関だ。
 

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