カリキュラムの作成に当たっては、およそ300社の求人情報を基に企業が求めるスキル・人材像を抽出する作業を行った。そこで明らかになったのは、統計分析やAIの機械学習プログラミング言語である「Python(パイソン)」、データを可視化するツール「Tableau(タブロウ)」のスキルに加え、前例のない仕事に前向きに挑戦する人物像だった。

「私たちが重視しているのはラーニングアウトカムズ(学習成果)。講義科目で得た知識や技術を体験的に学び、“~ができる”という明確な学習成果に落とし込むこと。それが知識の修得を重視する大学教育と決定的に違うところです」と白井校長は説明する。具体的にはデータサイエンティスト協会のスキルレベルを使って卒業時の仕上がりレベルを設定し、その目標に向けてシラバスと教材の開発が行われた。業界で実績のある同協会メンバーも、新学科のカリキュラムには太鼓判を押している。

 セラクの米谷本部長は、専門学校ならではの演習や実習を重視した学びを意識したと語る。

「理論にとどまらない問題解決型の授業を通じ、実際にデータを扱いアウトプットする教育が重要だと考えました。カリキュラムは、基本的なスキルの修得から実際にデータを使って問題解決を行う実践まで、好奇心を育みながら学習が円滑に進められるように構成しています」

 実際の企業課題や社会課題にグループで取り組み、理想モデルの提案と可視化を行っていく。チームで問題解決に取り組むことで、ビジネスにおける実践力を身に付けていくのだ。同校では、複数の学科で構成されるメンバーと企業が連携して行う独自の問題解決型授業「RJP※」でもその力を養う。

※「RJP」……Real Job Project。各学科の学生が主体となり、専門分野を生かして企画を提案・実施する問題解決型授業。

実践的でリッチな
カリキュラム

DX社会をワクワクさせる意欲的な人材を育成

 専門学校には幅広い学力の生徒が在籍するため、データサイエンスに必要な数学や統計の授業を基本から学習できるカリキュラムも用意されている。理解できない部分を復習するサポート学習時間(スタディアワー)を設けるなど、面倒見の良いフォローも同校の特長だ。

「データサイエンス+AI科」では、セラクDX本部の第一線で活躍するエンジニアの登壇も予定されており、学生は常に実社会の刺激を受けながら、学習することができる。専門学校での2年間で、練り上げられたカリキュラムによりスキルを合理的に身に付け、学習意欲が急勾配で上昇するという。

 データサイエンティストのニーズは年々高まり、求人数は増加の一途をたどっている。「本校が提供するのは一言で言えば“実践的でリッチなカリキュラム”。企業連携による問題解決型授業でDX社会をワクワクさせる技術力と意欲を持つデータサイエンティストを育成できると確信しています」(白井校長)。