“学ぶ姿勢”を持つことが
厳しい環境変化に対応する組織をつくる
關口社長は、ヤンセンファーマの今後の成長の鍵として、「海外のマーケットから、いいものを学ぶ姿勢を持つこと」を挙げる。
これまでの成長は、先達たちが日本特有のニーズや市場特性に対応し、医療現場からの情報を基に独自の研究や開発、情報提供活動を行い、患者に薬を届けてきたことによるものだ。そうした関係性や実践力はしっかりと継承しつつ、コロナ禍でより激しさを増している外部環境の目まぐるしい変化にも柔軟に対応できる組織をつくることが、一つの課題だと關口社長は語る。
そのために、さまざまな国・地域で多様なビジネスに携わってきた自身の経験から来る知見を存分に生かすつもりだ。
關口社長は日本の高校を卒業後、米国ダートマス大学に留学。そのまま米国の広告代理店に就職し、2年間働いた後、もっと社会に貢献できる仕事、自分でビジネスの舵取りができる経験をしたいと考え、教育関連のスタートアップ企業に転職した。
その後、よりグローバルな仕事、いろいろな職種を経験したいという思いを抱き、ビジネスの基礎を学ぶため、米国デューク大学大学院に入学し、経営学修士号を取得した。ジョンソン・エンド・ジョンソングループに入社するまでに、すでにビジネスの前線でキャリアを積み重ねており、「多様な経験を積んだことが、思いも寄らぬ状況でも適切な判断を下すためのスキルを磨いてくれました」と關口社長は振り返る。
「常に幅広い経験を求めてきたことで、仕事を進めていく上での理想と現実のギャップや、経験が次につながらないといった場面に直面した際、自分に何が欠けているのかに気付けるようになりました。個人だけでなく、会社としても、自分たち以外の仕事の進め方を知ることは、欠けている何かを発見するのに役立つはずです」
自身は、職場のメンターやマネジャーに恵まれ、彼らからのアドバイスや会話から気付くことが多かったというが、その根底にあるのは、どんな経験からも学ぼうとする貪欲さと、次に生かそうとする柔軟性だ。理想と現実のギャップをどのように埋め、強みを伸ばしていくのか。ヤンセンファーマでも、その取り組み姿勢は変わらない。