会長自らが
投資先のトップと対話
「マネックス・アクティビスト・ファンド」
──改めて、「マネックス・アクティビスト・ファンド」の特徴について教えてください。
松本 助言会社のカタリスト投資顧問には、日本の企業セクターや規制環境、社会構造などを深く理解する4人のスペシャリストがいます。彼らがそれぞれの観点から、変革によって企業価値を高め得る企業や、企業価値は高いはずなのにマーケットからの評価が釣り合っていない企業をボトムアップリサーチで選定します。その上で私自身が経営者や社外取締役と直接面談して、課題の把握や変革の提言などを行います。
──ご自身が投資先候補のトップと直接対話するというのがポイントです。
松本 私も資本市場に三十数年携わっており、上場企業であるマネックスグループの経営者としても20年以上のキャリアを持っています。候補企業の経営者の半数以上と面識もあり、気軽に会っていただけますし、同じ経営者として悩みを共有しながら、第三者の視点で変革を提言できます。対話を重ねることで互いの信頼を深め、一緒に会社を良くしていこうという気持ちを盛り上げるわけです。
──アクティビストは、“物言う株主”といわれますが、対話や相互理解を重視しているわけですね。
松本 一般的なアクティビスト・ファンドでは、企業経営の経験がない30~40代のファンドマネジャーが、アナリストから上がってくるデータだけで判断した要求書をIR部門に送ります。しかし、そのやり方では企業にメッセージは届きません。企業トップに、経験に裏打ちされた実のある提言を、直接伝えて納得してもらってこそ、企業自らの変革が進み、企業価値を上げることができるのです。
グループ資金での運用開始から1年以上が経過しましたが、多くの投資先企業で変革が着実に進み、マザーファンドベースでは、これまでに約50%のリターンが出ています(21年6月2日時点/税引き前)。