通信業界3社について、対象期間における増収率(前年同期比)は以下の通りだった。

 

 各社の状況を詳しく見ていこう。

NTT

 21年1~3月期における営業収益は3兆2060億円、前年同期比増収率は5.6%だった。

 この3カ月は同社の21年3月期第4四半期に当たり、12カ月間の累計営業収益は11兆9440億円(前年同期比0.4%増)。第3四半期までの累計営業収益は8兆7380億円(同1.4%減)だった。第4四半期を経て、前期をわずかに上回った。

 21年3月期通期の営業収益をセグメント別に見ていこう。NTTの事業は、その他を除くと以下四つのセグメントに分類される。

・移動通信事業(携帯電話サービスなど)
・地域通信事業(国内電気通信事業における県内通信サービスなど)
・長距離・国際通信事業(国内電気通信事業における県間通信サービス、国際通信事業など)
・データ通信事業(国内および海外におけるネットワークシステムサービスなど)

 移動通信事業は、営業収益4兆6403億円(前期比1.2%増)だった。

 移動通信事業を担うのは、20年12月に完全子会社化したNTTドコモ。ドコモが手がける携帯電話サービスに関する最近の重大トピックといえば、政府の要請を受けて大手3社が「携帯料金値下げ」を行ったことだ。3社とも今年3月から新料金プランをスタートさせている。これらの影響が決算に見られるのは、22年3月期以降になりそうだ。

 そのほか、地域通信事業は営業収益2兆5033億円(前期比5.0%増)、長距離・国際通信事業は営業収益1兆9590億円(同6.1%減)、データ通信事業は営業収益2兆1729億円(同2.0%増)となった。

 

ソフトバンク

 21年1~3月期における売上高は1兆3985億円、前年同期比増収率は12.5%だった。

 この3カ月は同社の21年3月期第4四半期に当たり、12カ月間の累計売上高は5兆2055億円(前年同期比7.1%増)。第3四半期までの累計売上高は3兆8070億円(同5.2%増)だった。第4四半期を経て、売上高は前期をさらに大きく上回った。

 ソフトバンクの事業はその他を除くと、以下四つのセグメントに分類される。

・コンシューマ事業(SoftBankブランドをはじめとする移動通信サービス、ブロードバンドサービスなど)
・法人事業(法人顧客に対する移動通信サービス提供など)
・流通事業(ICT、クラウドサービスに関連する商材など)
・ヤフー事業(ヤフオク!やZOZOTOWN、LINEを基盤とするコンテンツサービスなど)

 全体の売上高に占める割合が最も大きいコンシューマ事業の21年3月期通期の売上高は、2兆7623億円(前期比2.9%増)だった。主力のモバイルサービスの売り上げは前期並みだった。

 四つのセグメントの中で2番目に売上高の金額が大きいのは、ヤフー事業。21年3月期通期の売上高は、1兆1825億円で、前期比14.7%増だった。

 ヤフー事業はEC(電子商取引)などが含まれるコマースと、メディアに分けられるが、特にコマースの売り上げは前期比15.7%増と好調だった。19年11月に子会社化したZOZOの売り上げが20年3月期は5カ月分しか計上されていなかったが、21年3月期は12カ月フルで計上された。加えて、ZOZOの売り上げ自体も増加した。また、巣ごもり需要の追い風も受けてECの取扱高が増加した。

 そのほか、法人事業は売上高6818億円(前期比8.6%増)、流通事業は売上高4795億円(同8.9%増)だった(いずれも21年3月期通期)。

 

KDDI

 21年1~3月期における売上高は1兆3888億円、前年同期比増収率は4.1%だった。

 この3カ月は同社の21年3月期第4四半期に当たり、12カ月間の累計売上高は5兆3126億円(前年同期比1.4%増)。第3四半期までの累計売上高は3兆9238億円(同0.5%増)だった。第4四半期を経て、売上高は前期をさらに大きく上回った。

 KDDIの事業は、個人向けサービスを提供する「パーソナル」と、法人向け事業の「ビジネス」の二つに分類される。

 21年3月期通期において、パーソナルは売上高4兆5064億円(前期比0.9%増)、ビジネスは売上高7799億円(同4.5%増)となった。

 
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