驚異的な処理能力で
全トラフィックを監視

Zscaler CEO 会長 創業者
ジェイ・チャウドリー
JAY CHAUDHRY
IBM、NCR、Unisysなどで、セールスからマーケティング、マネジメントまで幅広い役割を担った後、1996年にインターネットセキュリティサービスを提供するSecureIT(1998年にVeriSignが買収)を創業。その後いくつかのベンチャー企業立ち上げ、売却を経て2008年にZscalerを創業。

 従来のセキュリティは、「内」と「外」を分け、その境界を防御する考え方が主流だったが、近年それでは不十分と考えられるようになった。「なりすまし」など多様な攻撃に対し、境界防御の限界が明らかになったからだ。すべてのトラフィックを「信頼しない」ことを前提に対策を進める必要がある。それがゼロトラストだ。ゼットスケーラーの創業者でCEO、会長を務めるジェイ・チャウドリー氏はこう説明する。

「当社の考え方は、従来の『境界に高い壁を築く』という発想とは異なります。代わりに、まずゼットスケーラーのクラウドセキュリティを経由させることで、各ユーザーに割り当てられた専用の“ガードマン”に部屋まで“最短ルート”で案内させます。ここでいう部屋とは、ユーザーが使うアプリケーションです」

 たとえば、SaaS型ERP(統合基幹業務システム)の部屋に案内されたユーザーは、付与された権限内でERPを操作できる。常にガードマンが張り付いているので、権限外のことはできない。こうしたゼロトラスト前提の仕組みを、同社はクラウドサービスとして提供している。

 すべてのアクセスを“見守る”ためには、膨大なトラフィック処理が必要だ。ゼットスケーラーのクラウドサービスは、1日1600億のトランザクションを処理している。

「グーグルは1日に70億の検索を行っているといわれます。ゼットスケーラーはその20倍以上のトラフィックをさばいています。そして、処理数はいまも急速に拡大中で、極めて高いスケーラビリティが、ゼットスケーラーの技術的な優位性なのです」とチャウドリー氏は話す。

高い費用対効果を実現し
ガバナンス向上にも寄与

 同社の高速処理能力は、ユーザーの生産性にも影響を与える。

「当社のソリューションを導入したことで、クラウドアクセスが高速化し生産性が大きく向上した事例が多くあります。当社のお客様からは『オフィスよりも在宅環境のほうが速くなった』という話も聞きます」と金田氏は語る。

 また、コスト削減効果もある。独シーメンスではインフラ費用が70%削減できたという。
「これまで、高く厚い壁を築くために多大な費用をかけていました。ゼットスケーラーを導入すれば、壁づくりとその管理にかかるコストを最適化できます」とチャウドリー氏。

 ゼットスケーラーは、グローバルガバナンス上の課題解決にも寄与する。クラウド上でセキュリティ対策を行うので、世界各地の拠点への展開が容易。マルチクラウド環境に統一したガバナンスを構築できる。

 こうしたメリットを持つゼットスケーラーは、市場における評価も高い。世界的な調査会社のガートナーは、セキュアウェブゲートウェイの領域において、10年連続同社にリーダーポジションを付与している。

「ゼットスケーラーは進化を続けています。マルチクラウド管理を効率化(CoE)するとともに、クラウド設定の人為ミスをなくすAIの実装、さらにIoTやOT(運用・制御技術)デバイスがセキュアにインターネットおよびクラウド間を通信するための拡張などが視野に入っています」と金田氏。日本企業に新機能の提案活動も始めており、セキュリティ対策の根本的な見直しを検討している企業は少なくない。

問い合わせ先
ゼットスケーラー株式会社
〒100-0004 東京都千代田区大手町1-9-2 大手町フィナンシャルシティグランキューブ3F
https://www.zscaler.jp/