「仏教や禅というとハードルが高いイメージがありますが、日常生活の中で“生老病死”を乗り越えていくためにどのような考え方をすればいいかという講義を行うと、学生たちも興味を持ちます。キャンパス内には“坐禅堂”もあり、授業では坐禅も組みます。ただひたすら坐(すわ)ることを意味する“只管打坐(しかんたざ)”という言葉がありますが、そうした禅の環境を通して、学生たちには、生きていく上で大切なしなやかな意思と強さを身に付けていってほしいと考えています」(村松館長)
1928 年に図書館として建てられた「耕雲館」。現在は「禅文化歴史博物館」として使用
2022年に「智の蔵」を
備えた新図書館が完成
今、キャンパス内では、2022年の完成を目指して新しい図書館が建設中だ。地上6階、地下3階、延べ床面積約1万1000平方メートルの図書館で、「智の蔵」と呼ぶ書架を建物の中央に配置し、上層階に行くほど学びの専門性を高める“フロアゾーニング”方式を採用。入館者は、多様な学修スタイルに合わせて滞在場所を自由に選択できる構成になっている。
新図書館は2022年に完成予定。図書館の変遷は駒澤大学の知の歴史でもある
駒澤大学
大山礼子図書館長
(法学部教授)
大山礼子図書館長
(法学部教授)
豊富な資料を適切な環境で保管する開かれた書庫が特徴で、紙媒体と電子媒体をシームレスに利用できるハイブリッドアーカイブズを目指している。
図書館長の大山礼子・法学部教授は、「時代とともに、図書館の役割は大きく変化しています。学生たちは今、図書館の電子媒体を通してあらゆる情報に容易にアクセスできるようになっています。その一方で、大学の図書館には、開かれた書架が偶然の出会いをもたらすという役割もあります。新図書館には、個別学修に専念できる空間の他に、学内外の知的活動と協働して“新たな知”と出会うインタラクション(相互作用)ゾーンもあり、情報発信基地として、また知的な交流の場として、大いに活用してもらいたいと考えています」と語る。