世界という舞台で戦うために
世界に目を向ける

 第3の特長として、世界の有名ビジネススクール32校との提携による国際単位交換プログラムがある。これは約4ヵ月間の海外留学を通じて、世界への視野を広げる機会である。海外で取得した単位は、KBSでも認められる。また、海外のスクールからの学生も受け入れていることもあり、KBSの一定科目は英語で授業が行われている。

 最近は、1学年100人のうち毎年20人程度がこの制度を使って海外に留学している。逆に、海外からの留学生受け入れは毎年25人ほどになるという。こうしたグローバルに目を向ける姿勢は、ビジネススクールの品質評価のために設けられた国際認証の取得などにも表れている。

 KBSのMBA課程において、学生は500以上のケースを学習する。2年間フルタイムという濃密な授業である。

国際単位交換プログラムなどにより、KBSから海外のスクールへの留学、海外からの留学受入れが盛ん。学生はグローバルな雰囲気の中で学ぶ

 「若い人たちにとっては負担を感じるかもしれませんが、これは一定期間の学びに対してコミットしてもらうということ。こうした環境の中で自分を見直し、リーダーとしてやっていくという強い気持ちを確立してもらいたい」と河野教授は語る。

 KBSでは、海外の優秀な若者と議論する機会も多い。例えば、最近始まった「アジアビジネス・フィールドスタディ」。KBSと中国・精華大学、韓国・KAISTというアジアのトップスクール3校の学生が集まり、具体的なテーマについてフィールドワークとレポート作成を行うという取り組みである。

海外トップスクールとの間で行われているダブルディグリー・プログラム。KBSと提携校で1年ずつ学び、両校の正規卒業生として2つのMBAが授与される

「今回は中国と韓国の学生を呼び寄せ、アジアにおける食ビジネスをテーマに議論しました。共通言語は英語です。食品メーカーなどの企業を一緒に回るうちに、互いに打ち解けていきました。食というテーマがよかったこともあるのでしょうが、議論も非常に盛り上がりました。アジア諸国とのビジネスは、今後さらに重要性を増すでしょう。次の世代のリーダー同士が知り合い、議論し合うことは非常に大きな意味があると思います」

 グローバルという軸、そして学生のバックグラウンドとしての産業や職種などさまざまな軸を持つ多様性の中で刺激を受けながら、体系的な知識はもちろん、リーダーとしての使命感や情熱、気概といったものが育まれる。そんな場として、KBSは世界の動きを見据えたリーダー育成教育を深化させている。

世界基準のマネジメント人材育成品質

ビジネススクールにおける教育の質を担保するために、いくつかの国際認証制度がある。KBSは米国のAACSB、欧州のEQUISを取得。こうした国際認証を得ているスクールは、日本では珍しい。さらに、2012年10月には日本のビジネススクールとして初めてPIMに加入。PIMは欧米のトップスクールが国際交流を目的に結成した組織である。グローバルな舞台で活躍するリーダーを輩出するためには、ビジネススクールの世界的な潮流から目を背けることはできない。