バイデン氏は以前から、大規模な米軍派遣を伴う対テロ作戦に懐疑的で、米軍の派遣がなくても新たな脅威を抑止し検知していくと米国民に請け合っている。
8月16日には、「われわれは恒久的な軍の駐留がない複数の国で、テロ集団に対する効果的なテロ対策任務を遂行している」と指摘。「必要であれば、アフガンでも同様に行う。この地域における米国への直接的な脅威にしっかりと目を向け、必要に応じて迅速かつ断固たる行動を取ることができるよう、遠隔操作によるテロ対策能力を開発した」と述べた。
この「遠隔操作(over the horizon)」とは、電子情報を収集してヘルファイアなどのミサイルを発射するドローンや、空母または外国基地に配備された米軍の戦闘機、テロリストの野営地を撮影したり通信を傍受したりする偵察衛星などの資産のほか、場合によっては遠方から発進する奇襲攻撃のことを指す。
2001年9月11日の同時多発テロ以降の20年で、こうした技術は急速に進歩した。ただ、軍や情報機関の当局者によると、紛争地域の現場に米関係者や現地パートナーがいなければ、概してその効果は弱まるという。
米国の特殊作戦軍や国家テロ対策センターの要職を歴任したマイケル・ナガタ元陸軍大将は、「遠く離れた地からの遠隔操作によるテロ対策は、アフガンからの脅威に対し、ある程度の効果を発揮するだろうが、かつての地上軍によって実現可能だったことには遠く及ばないだろう」と語った。
「特に心配なのは、どんな脅威がどこにあるのかを理解するために必要な情報や標的の手掛かりを収集する能力が弱まることだ。攻撃を行う際には、罪のない人々が巻き込まれる可能性を最小限に抑えつつ、脅威に対し効果的に攻撃していることを確認する必要がある」。ナガタ氏がこう語ったのは、29日の空爆で民間人の犠牲者が出たとの報告が入る前のことだった。
多くの政府当局者や専門家は、2011年に米国がイラクから軍を撤退させたことで、過激派組織「イスラム国(IS)」の勢力拡大を詳細に追跡する能力の大半が失われたと指摘している。ISは14年にイラクとシリアで多くの地域を占領し、米軍が再派遣に駆り立てられた。



