ドナルド・トランプ米大統領の移民取り締まりが始まってから1年以上が経過したが、労働市場に広範な混乱が生じているという証拠はほとんどなく、米国人労働者への実質的な恩恵も見られない。
米国生まれの労働者の失業率はわずかに上昇し、賃金の伸びは鈍化している。低技能移民を多く雇用するブルーカラー業界でも賃金の伸びは鈍化しており、広く懸念されていた労働力不足が現実に起こっていないことを示している。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が労働省の統計を分析した結果、こうした実態が明らかになった。
一連のデータは、政治家や当局者が数十年にわたって議論を重ねてきた問いに対する手掛かりを提供している。移民は受け入れ国の賃金にどのような影響を与えるのか、また新たな移民の流入がなくなれば何が起きるのか、という問いだ。
主要セクターでは課題が浮上している。テキサス州南部の住宅建設業者は、移民取り締まりが労働者を萎縮させたことで建設の遅延や価格上昇が生じているとして警鐘を鳴らしている。皿洗いの人手が十分に確保できないと訴えているレストランもある。トランプ政権は、農業分野の労働力不足に対処するため、農家が外国人労働者を雇用しやすくした。
ホワイトハウスは今月発表した経済報告書の中で、「不法移民の記録的な流入が米国人の賃金を押し下げ、住宅需要を押し上げ、福祉制度を圧迫した」とした。
ホワイトハウスのクシュ・デサイ副報道官はWSJへの回答で、トランプ政権の政策が機能している証拠として、インフレ調整後の賃金上昇と働き盛り世代の労働参加率の高さを挙げた。
「バイデン政権の4年間にわたるインフレ危機と国境開放という失策により、米国人労働者は取り残されてきた。トランプ大統領が就任してからのデータは、明確な結果を示している」とデサイ氏はメールで述べた。「実質賃金はようやく上昇し、より多くの米国人が傍観者の立場を脱し、米国経済の復活に参加しつつある」









