AI巨額投資の代償、テック大手が相次ぎ人員削減Photo:Andrew Harnik/gettyimages

 米テック企業は、従業員と引き換えにもっと多くの半導体を手に入れようと急いでいる。それらの企業の一部は、この交換を後悔することになるかもしれない。

マイクロソフト と メタ・プラットフォームズ は、人工知能(AI)を名目にして従業員の削減を試みるテック大手の最新例に過ぎない。メタの 最新の計画 によると、従業員約8000人が削減される。一方、マイクロソフトは、米国従業員の約7%を対象とした「希望退職プログラム」を通じて従業員数を削減しようとしている。応募者が十分でなければ実際のレイオフにつながる可能性がある。

 企業向けソフトウエア大手 オラクル と、画像共有・メッセージアプリ「スナップチャット」を運営する スナップ は、ここ数週間で大規模な人員削減に着手した。決済サービスの「スクエア」「キャッシュアップ」を運営するフィンテック企業 ブロック は2月、従業員の40%を削減する計画を発表した。これは4000人超に相当する。トラッキングサイト「レイオフ・エフワイアイ」によると、3月にはテック企業の従業員4万5800人が対象となるレイオフが発表された。報告されたテック企業の月間人員削減数としては、少なくとも過去2年間で最多という。

 各社はこうした人員削減を、より多くの労働者が機械に取って代わられる「AIの未来」に自信を持っている証拠として位置付けようと懸命になっている。各社は、先行きの問題を示唆しないよう注意を払っている。ブロックのジャック・ドーシー最高経営責任者(CEO)は発表文の中で、「当社がこの決定を下すのは、経営難に陥っているからではない」と述べた。

 しかし、幾つかの問題が生じつつある。テック企業は事実上、設備投資計画で互いにチキンレースをしている。企業はAI向けチップやデータセンターにできるだけ多くの資金、可能ならライバルより多くの資金を投じようとしている。それらへの投資は、負けが許されないと感じているレースで、自らを優位に立たせるのに役立つ可能性があるからだ。これにより、誰がAIを使ってはるかに少ない労力でより多くをこなし、高価なチップにかける資金を生み出せるかを巡る競争が激化している。