創業3年目のベンチャーM&A仲介会社にどうして優れた人材が集まるのか

「当社の社員の平均年齢は30歳前後。理不尽な議論を苦手とする人が多いです。社員には、DXを利用して営業プロセスのデータを個別に見せ、何が足りていないかを数値を元に合理的に説明します。そのため、指導内容にも納得感を持ってもらうことができます」（佐上社長）

短期間で
優秀な人材を確保

　非効率性と強引な営業姿勢を排除した同社には、優れた人材が集う。社員の8割がメガバンクや生保や証券、大手M&A仲介会社の出身で、入社1年後の離職率は0％。効率を最大化した環境を用意することで、短期間で優秀な人材確保を実現した。現在は50人ほどの規模だ。

　今年3月に入社した依田彪吾・企業情報第二部次長はキーエンス出身。効率性を追求するM&A総合研究所の社風と、M&A業界の先端を行く姿勢に魅力を感じて転職した。

M&A総合研究所
依田彪吾企業情報第二部次長

「入社後2週間目くらいのとき、業務上で非効率だと思った点を指摘したところ、翌日にはそれがDXシステムに反映されて、そのスピード感に驚きました。社内向けの雑務が少ないため、自分の実力をお客さまのために最大限に発揮できる環境があると思います。入社5カ月目で最初にお手伝いさせて頂いた案件が成約し、お客さまから心のこもった感謝の言葉を頂いたときは感無量でした」

　同社では全国の案件に対応し、売上高2億～10億円の中堅企業が顧客のボリュームゾーン。会社の信頼度の向上と資金調達の拡大のため、22年９月期の上場を予定している。

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「将来的にはM&A仲介業という事業を軸に、古き良き日本企業のDX化にも貢献していきたい。会社として本質的な業務に集中できるよう効率化を追求し、社員が仕事だけでなくプライベートも充実させられるような環境をつくりたいと考えています」と語る佐上社長。

　創業3年目のベンチャー企業が、規模的にはすでにM&A業界の大手に成長。M&A×TECHの若い力が、レガシーなM&A仲介業界に新しい風を起こしている。