変動料金制で
需給バランスを取る

 事業者にも大きなメリットがある。「交換タイヤ」最大の特徴は、変動料金制を採用していること。タイヤ交換の需要が殺到する時期の料金は高いが、それ以外の時期は安くすることで、ドライバーと事業者双方の負担を軽くしようというものだ。

「交換タイヤ」のアプリ画面
最寄りのピットを検索して、自分に都合のいい時間と料金を選択できる。支払いもオンライン決済なので、待ち時間がなく、煩わしい手間もかからない
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 事業者は、独自に日にちや時間帯ごとに異なる料金を設定できる。そもそも事業者にとってタイヤ交換サービスは利幅が薄く、積極的に請け負いたいサービスとは言い難い。しかも、繁忙期にはタイヤ交換ばかりにピット(作業スペース)が占領され、他の修理や整備といった仕事が受けられない状況になることも少なくない。

「交換タイヤ」を導入すれば、シーズン前に早割料金を、ハイシーズンや休日には割増料金を設定することで、需要を平準化しながら収益性の向上を図ることができるのだ。

タイヤカルテ
交換、または預かったタイヤの状態を確認し、顧客にふさわしいサービス(タイヤメンテナンスやタイヤ買い替えの提案など)が行える
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 ドライバーにとっては、降雪前に冬タイヤに履き替えれば燃費が悪くなるが、早割料金のお得分と相殺されて損はなく、むしろ選択の幅が広がる。混み合う時期を避けて安くタイヤ交換を済ませていれば、急な降雪にも慌てないで済むはずだ。

 丸市倉庫の木村努取締役は、「『交換タイヤ』は、ドライバーと事業者を結ぶマッチングサービスです」と語る。