トークン化で最新のセキュリティ対策を実現
BtoBにおいてもキャッシュレス化を促進する

 マクロミル委託調査(2021年6月)によると、Visaのタッチ決済を利用する前と後で行動の変化があり、タッチ決済後に現金を使う機会が減った人が47%、少額でもカードを使うようになった人が38%に及ぶ。日常生活のさまざまなシーンで“脱現金化”は着実に進んでいるのだ。

 タッチ決済だけでなく、デビットカードの普及も進んでいる。銀行口座と直結しているので現金でチャージをしなくても利用でき、ポイントも貯まりやすい、という特長があるVisaデビット。発行枚数は、約1650万枚(2021年9月末時点)となった。

 Visaがキャッシュレス決済で力を入れているものに、トークン化による決済エコシステムの最適化もある。Visaトークンサービスとは、カード保有者が持つ16桁のカード番号を、セキュアなトークン(認証デバイスを使ったワンタイムパスワード)に変換することで、不正行為から本来のカード番号を保護するもの。

「いま、オンラインやインターネットにつながったコネクテッドデバイス経由での購入が拡大している中で、デジタル決済における安全性の確保がより重要になっています。そのためVisaのトークン発行数は増加し、現在の発行数は20億個に達しています。Visaトークンを利用することで、誰でも、どこでも、業界をリードする最新のセキュリティ対策を実現することができるのです」

 さらにVisaでは、中小企業の企業間決済(BtoB)におけるキャッシュレスの普及にも取り組んでいる。日本の企業数の99.7%は中小企業であり、その中小企業の労働生産性の低さが課題となっている。Visaではその課題に、決済の側面から貢献しようと考えている。

「日本では、中小企業における決済手段のうち、支払額におけるカード決済のシェアは約1%*3に留まっています。支払いのほとんどは、出張や車両関係、事務用品などで、原材料や仕入れといった大きな決済ではカードは使われていません。当社としては、法人間における取引においても先進的なソリューションを提供し、業務の効率性向上に寄与したいと考えています」

 中小企業がビジネスカードを利用するメリットとしては、キャッシュフローの管理がシンプルになり、照合作業の効率化や作業時間の削減が実現し、キャッシュレスとなって現金管理から解放され、非対面・オンライン調達が可能となり、支出の見える化が進むことなどがある。

 Visaでは、企業間決済のソリューションとして、全ての請求・支払業務をWeb上で完結できる、Visaカードの支払い機能を利用したBtoB専用の決済システム「Visa Business Pay」や、Visaの加盟店でなくてもカード決済受け入れを可能にするスキーム「BPSP」などを提供、法人間決済のキャッシュレス化を促進している。

「世界がデジタル化へと大きく移行し、私たちの生活や仕事、購入の様式が変化する中で、Visaは今、最も安心なキャッシュレス・ブランドとして支持されています。Visaにとって日本は重要な市場であり、日本のビジネスと人々の暮らしを豊かにするため、引き続き日本のキャッシュレス化の推進に貢献していくつもりです」とスティーブン・カーピン社長は最後に語った。

*3 Visa調査による
 
グローバル決済ネットワークが日本のキャッシュレス社会を加速するスティーブン・カーピン (Stephen Karpin)氏
ビザ・ワールドワイド・ジャパン株式会社 代表取締役社長
2019年4月1日現職に就任。サイバーソース株式会社代表取締役兼任。現職就任以前はシンガポールにて、東南アジア地域のグループカントリーマネージャーを務め、カンボジア、インドネシア、ラオス、ミャンマー、フィリピン、およびベトナムの事業と地域を統括。それ以前は、Visaのオーストラリア・ニュージーランド・南太平洋地域のグループカントリーマネージャーを務め、アジア太平洋地域におけるセールス・オペレーションを担った。 2014年のVisa入社以前は、オーストラリアコモンウェルス銀行、ウェストパック銀行といった オーストラリアの最大の金融機関およびシティバンクでさまざまなリーダーシップを担い、豊富な業界経験を持っている。