それは、実は単純に「種銭の違い」、つまり元本の大きさの違いです。これに尽きます。
例えば100万円を元手に資産運用をしているサラリーマン投資家のAさん。彼は投資センスがあるのか、毎年5%で運用できています。税引き後4%の複利で、10年間でお金が156万円になりました。大したものです。
一方で、お金持ちの経営者、Bさんは1億円を元手に同じく5%(税引き後4%)で運用することに成功。10年後には1億5600万円になりました。
このように、同じ運用成績でも増えたお金は56万円と5600万円、大きく違います。これが、一般投資家とお金持ちの格差の拡大につながっているということなのです。結局、Bさんが10年で生み出した利益をAさんの元手でやろうとすると、同じ5600万円の利益を出すのにAさんは102年かかってしまいます。
富裕層はレバレッジが掛けやすい
リスクを分散しても大きなリターン
融資に関しても同様です。今、スルガ銀行の「かぼちゃの馬車」問題などもあって、一般の投資家が不動産(ここでは住宅ローンを除く、いわゆる収益不動産のことを指しています)で新規融資を受けるのは非常に難しく、収益不動産で銀行融資がつくのは地主などの担保する資産がある人や、会社経営者、一部の富裕層くらいです。
お金を借りられたとしても、一昔前のように自己資金ゼロで収益不動産を購入できるような時代ではありません。よってレバレッジという点でも、さらにお金持ちが有利になり、よりお金が増えやすくなっているという現状があるのです。
資産運用に関しても、元手に余裕があるお金持ちの方が、よりお金を増やしやすいということが言えます。
例えば、先ほどの一般投資家Aさんが株で一発当てるぞ!と思って100万円を元手にテンバガー(ten-bagger)といわれるようなアメリカ株で10倍になるような銘柄に全額一点集中したとします。一方でお金持ちBさんは、1000万円を元手に100万円で1銘柄買い、リスク分散のために異なる10銘柄を買います。
資金を一点集中させたAさんは、かなり高い確率で資産を減らしてしまう可能性があります。一方のBさんは、資産を分散できているので、そのリスクを小さく抑えることができます。Bさんは、仮に9銘柄失敗したとしても、1銘柄で10倍に株価が上昇すればお金は減りません。これが格差の拡大につながります。元手をある程度確保することの大切さが分かると思います。
もちろん元手100万円で億万長者になった人も世間にはいっぱいいますが、そういった人は抜群の投資センスがあるのか、運が良かったのか、話を盛っているかのいずれかであり、本当は万人に通用する資産運用はないのです。
要するに、いくら資産を大きく増やしたいといっても、元手が少なければその増やし方には限界があるということです。
元も子もない結論ではありますが、これはある意味「フェア」ともいえます。特別な方法はなく、何らかの形で元手を稼ぐに尽きる。これが資産運用の最大のポイントだといえるからです。



