富裕層のカネと節税#3
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日本全国に散らばる地主や開業医、中小企業オーナーの多くは、先祖代々続く伝統的な富裕層だ。その子供である「親リッチ」は、自らの収入は少なくても、恵まれた環境の中で同世代とは“異次元”の生活を送っている。特集「富裕層のカネ・節税」の#03では、親リッチの知られざる生態に迫った。(ダイヤモンド編集部 田上貴大、笠原里穂)

マンション購入に親から3000万円
華麗なる「親リッチ」の世界

「先日、都内に新築マンションを買いました。購入金額の半分ほどに当たる3000万円を、頭金として親から援助してもらっています」

 都内のコンサルティング会社に勤める横山亮太さん(20代、仮名)はこう語る。横山さんの親は、関西でパチンコ店や不動産賃貸業を営む中小企業のオーナーだ。自社株などを含めると、親の資産額はおそらく25億円ほどあるという。横山さんは、富裕層の親を持つ「親リッチ」と呼べる存在だ。

 この造語の生みの親が、野村総合研究所コンサルティング事業本部の宮本弘之パートナーだ。野村総研は「親や祖父母の世帯が純金融資産(=預金や債券などの金融資産から負債を差し引いた金額)を1億円以上保有する、20歳から59歳までの人」を親リッチと定義して調査。その数は全国に235万人に上るという。

 日本で特に資産額が多いのは、地主や開業医、中小企業オーナーなど先祖代々続く富裕層だ。その息子や娘に当たる親リッチは、本人の自覚はさておき、事業や土地を継ぐ者として期待されている。

 ただ、特にリーマンショックや東日本大震災といった経済を揺るがす一大事を目の当たりにしている親リッチは、「親世代よりも厳しい時代に生まれたという自覚があり、(事業の)縮小や撤退の選択肢を持っている」と宮本氏は指摘する。実際に、「割り勘などお金の貸し借りはしっかりする」(30代、親リッチ)など、金銭面はシビアだという意見もある。