こんなマンションは買ってはいけない!絶対損する8つのポイント写真はイメージです Photo:PIXTA

マンションの価格が高騰している一方、給料は上がらない。しかし、マンションは必要で、購入したい…。判断を間違えれば厳しい経済状況になるおそれがあるのだから、大きな買い物は慎重にならざるを得ない。失敗しないために押さえておくべきポイントを専門家が解説する。(マンショントレンド評論家 日下部理絵)

マンション価格は10年前の約1.46倍

 不動産経済研究所の調査によれば、2021年度上半期(2021年4月~9月)首都圏の新築マンションの供給戸数は1万2809戸。平均価格は6702万円。昨年度の上半期と比較して10.1%も上昇。どれくらい高騰しているかといえば、2011年の首都圏新築マンションの平均価格は4578万円なので、この10年で約1.46倍にもなっているのだ。

 新築が高嶺の花となっている現状を受けて、いま注目されているのが、中古マンション(既存マンション)である。実際に2019年、新築マンションの供給戸数3万1239戸に対して、中古マンションの成約件数は3万8109戸と中古マンションの方がよく売れている。

 しかし、マンション価格の高騰に対して、給与は上がっていない。国税庁が公表する2020年の平均給与は433万円。内訳をざっくり見ると給料369万円+賞与65万円である。マイホームは賃貸か、購入か、悩ましい問題だが、購入するならより慎重に検討すべきであろう。

 そこで人生で最も高価な買い物とされるマンション購入において、どんなポイントを見れば失敗しないのか。マンション選びの際に見るべきポイントについて、マンションの専門家が一つひとつ解説していくので参考にしていただきたい。

失敗ポイント(1)最寄り駅から遠い

 そんなの当然だ!駅近が良いに決まっている、と思うかも知れない。

 実は最寄り駅からの距離は、立地の良し悪しを表すバロメーターの一つとされ、「駅からの距離=徒歩分数」を周辺環境にかかわらず客観的指標として判断される。

 具体的な分数については、最寄り駅から徒歩7分以内が望ましいとされる。東京カンテイ(不動産情報サービス)が公表する「2020年、新築マンションの徒歩時間別供給シェア(首都圏)」によると、最寄り駅から徒歩3分以内は20.4%、4分~7分は31.9%、つまり、新築マンションの半数以上が徒歩7分以内なのだ。全体平均でも7.4分である。

 ただし、吉祥寺や北千住など、駅周辺に商店街があり住宅地まで距離があるようなエリアは、徒歩分数以上の価値があると判断される。このようなエリアを除いては、駅から徒歩7分以上はやめておいた方が無難だ。

 また一般的に、駅近物件は価格が高く、駅から遠くなるにつれて価格が下がっていくが、駅から遠い物件ほど、下落率も大きくなるといわれる。

 安価だからと駅から遠い物件を安易に購入すると、買い替えや住み替え、相続などで売却したいと思ったときに、思うような価格で売れず大変な思いをする可能性がある。7分以内はマスト、将来も見据えるなら徒歩5分以内をおすすめしたい。