ポータブルバッテリー「OC」。1日に必要な電力量を十分に持ち運ぶことができる。専用のチャージトレーがあり(左)、並べて充電しても美しく、オフィスの景観を損なわない
OC:https://www.okamura.co.jp/product/others/oc/
さらに「Heart Beat Office」に欠かせないのが、オカムラが新たに開発したポータブルバッテリー「OC」である。持ち運びができる1.9キログラムのリチウムイオンバッテリーで、満充電でノートPCでは3.5回分、1台で同時に4台のデバイスに給電可能となっている。
「OC」開発の背景について、ワークプレイス製品部ワークファニチュアGRPの齊藤健太グループリーダーは、「デスクを開発していく上で、配線は常に課題になっていました。床にコンセントを設けてもベストではない。多様な働き方に応え、行く先々で電源を探す煩わしさを解消するためにも、これまでにないバッテリーが必要だと考えたのです」と説明する。
「OC」の登場で、電源コンセントの設置が少なく、配線が難しい場所でもデバイスの使用が可能になった。フェーズフリー認証※も受けており、災害時には非常用電源として使用できるため、BCP対策として活用できるメリットもある。
コロナ以前、オフィスの機能として求められたのはイノベーションの生成だった。自律的に人が移動し交流するABWの空間はその一つの方策だったが、テレワークという働き方が浸透した今は、「いかにして社員をオフィスに来させるか」という目的に変化しているという。
「Z世代を中心に、若手のワーカーは自分が会社に大事にされているという感覚を重視します。効率性を追求して人を詰め込むオフィスより、上質な家具を備えた快適なオフィスの方が、結果的に人が集まり、有意義な会話が生まれる。企業にとって優秀な人材を確保するためにも、新しいBASEの形は有効だと考えています」と池田氏は語る。
「WORK VISION 202X」から生まれた「Heart Beat Office」は、ウィズコロナ時代の要請を的確に捉えた新たなオフィスであり、次世代の働き方を生み出す可能性に満ちている。