ここまで順調に土地の有効活用を進めてきたJMTが現在取り組んでいるのが、板橋トラックターミナル(東京都板橋区)の全体再開発。京浜や葛西で行ってきた部分的なリニューアルではなく、敷地全体を一体的に再開発するものだ。全体計画では、すでに特積事業者向けに提供してきた平屋建ての施設を2層式の専用施設2棟に建て替えることが決定。1棟目は23年春、さらに25年春に2棟目が竣工する予定だ。
「施設を2層式にし、建替完了までの工期を大幅に短縮することで、特積事業者の負担軽減に貢献していくとともに、特積事業者同士のさらなる連携や協働を進めやすいプラットフォームを提供できればと考えています。2層式の専用施設は、当社がこれからも特積事業者の機能を支えていくという強い決意を示した施設になると考えています」
そして、平屋建て施設を2層式にすることによって、敷地の南側に約5万平方メートルの新たな開発用地が生まれることになる。都営三田線の西高島平駅が道路ひとつを隔てた目の前にあるという交通利便性の良さに加えて、流通業務団地という物流適地に立地するメリットは計り知れない。
さらに、隣県に位置する他の物流施設よりも大消費地である23区へのアクセスに優れる。「計算上は延床面積約15万平方メートルの物流施設の建設が可能です。おそらく23区内でこれだけの開発用地はもう出ません。夢のあるビッグプロジェクトであり、東京の物流を支えていくためにも様々な事業者が利用可能な施設整備を選択肢にしていきたいと考えています。資金計画や開発手法の検討を含め、25年度中には計画の青写真を示す考えです」と語る。
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「エッセンシャル・プラットフォーム」であり続ける
「当社は100年企業を目指す中で、エッセンシャルワークである物流を支える“エッセンシャル・プラットフォーム”でありたいと思っています」と秋山社長。
「そのためには、当社が提供するハード・ソフトの機能が社会から必要とされ、有用なものであり続けなければなりません。だからこそ、JMTは特積事業者をはじめとする物流機能を支える装置産業として、再開発による土地の有効活用を通じて、自らの価値を高めていく必要があるのです」と今後を展望する。