VFRが目指しているのは、本格的に物流で利用できる産業用ドローンの開発だ。今は海外の最新機体でも、5キログラムのペイロード(運搬能力)で20キロメートルの飛行がマックスだという。同社では、空力の専門家を投入して機体や羽根の素材や形状を研究、さらにバッテリー性能を向上させることで、最大40キロメートルの飛行距離を実現しようとしている。そのブレークスルーが実現すれば、日本の離島間物流の80%が可能となるという。

「規制緩和でレベル4が実現しても、安全性の問題から人口密度の高い都市部での利用はまだ先で、まずは離島や山岳地帯などの過疎地域での物流で利用されることになるはずです」と湯浅社長は運用の見通しを語る。

国産ドローンの物流革命が夢から現実へ。世界の頂点を目指すドローンメーカーの挑戦那須のリゾート地で行われたドローンによる輸送の実証実験。バーベーキューの食材などを運んだり、カップルに婚約指輪を運ぶイベントを実施した

 VFRは現在、長野県伊那市でのドローン実証実験に協力しているが、そこではスーパーマーケットから地域の拠点である公民館への食材の物流を実現している。また栃木県の藤和那須リゾートで行われている空輸サービスの実証実験にも参画。ここでは、広大な敷地に点在する各コテージに向けてBBQ用食材を空輸するほか、ドローンで婚約指輪を届けるサプライズプロポーズの演出を試みるなど、エンターテイメント領域での活用法も模索している。

ドローンメーカーとして「世界の頂点」を目指す

 では、社会実装に向けての課題とは何だろうか。湯浅社長は、性能の向上はもちろん、価格と運用コストの低減が必要になるという。現在、物流で利用される受託製造のドローンは400万~500万円の価格だが、機能の簡素化や素材の見直し、量産体制による専用部品の採用などによって200万円以下に抑える。さらに飛行データを蓄積して安全性を高め、離着陸時における補助者の配置を不要にすることで運用コストを低減したいともくろむ。

 VFRでは成長戦略として三つの事業を推進している。一つ目は「ToA(オープンイノベーション事業)」。“誰もがどこでも必要なときに使える”ドローンと社会インフラ基盤を共創で実現すること。二つ目は「ToB(B to B)事業」。ドローン技術のモジュール化と新たな生産技術を確立すること。三つ目は「ToC(B to B to C)事業」。ロボット教育に使える教材と教育プログラムを提供し、産業向けデジタルツイン環境をゲームへ応用することである。

国産ドローンの物流革命が夢から現実へ。世界の頂点を目指すドローンメーカーの挑戦湯浅浩一郎・代表取締役社長CEO兼CRO ハピネスフォワード推進部長(写真中央)、戸國英器・開発本部本部長(同左)、田所秀貞・プロジェクトマネジメント シニアプロジェクトマネージャー(同右)

「私たちが目指しているのは、世界一のドローンメーカーです。ハードウエアのプラットフォーマーとして、半完成品を輸出する海外展開も視野に入れています。かつて、日本の製造業はさまざまな分野で世界の頂点に立っていました。その製造業の黄金期に活躍した、開発から量産までを経験した人材を今、積極的に採用しています。彼らのノウハウをドローンに応用することで、世界に誇れるロボティクスメーカーになることは十分に可能だと考えています」と語る湯浅社長。

 21年12月には、量産試作・量産の生産拠点として、安曇野市に「Azumino SORA Factory」を開設した。ドローンの国内における社会実装をさらに加速していく予定だ。

・湯浅代表がドローン普及のために奮闘するドキュメンタリーYouTube
「社長の流儀」配信中(https://www.youtube.com/channel/UCi3vgjpTXQVZw3BUAPFzXOw

・「そら活」:「空(そら)」から、一生の思い出を映像に残すお手伝いをする活動(https://sorakatsu.vfr.co.jp/

Tik Tok ドローン社長のハピネスライフ:ドローン会社の社長とその仲間達(https://www.tiktok.com/@drone_syacho

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〒150-6031 東京都渋谷区恵比寿4-20-3 恵比寿ガーデンプレイスタワー31F
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