FXノックアウトオプションをFXと比較してみよう。FXは個人の場合、取引額の4%以上を証拠金として預託すれば、証拠金に最大25倍のレバレッジを掛けた取引をすることができる。取引額(想定元本)を100万円とするなら、4%に相当する4万円を預託すればいいのだが、レバレッジを大きくすればするほど、少しの値動きで証拠金の余裕がなくなり、証拠金維持率が100%を下回った時点で追い証が発生する。もし、そのまま放置してロスカットライン(通常は50%)に達すると、強制決済されてしまう。ただ、損失の額がロスカットラインに達した時点から決済の手続きが始まるため、相場急変時では、実際に発生する損失は、ロスカット水準より大きくなることがある。これらの決め事は投資家の資金を守るためとはいえ、投資初心者には難しそうに思えるし、損失がどこまで膨らむのかが事前に分からないのは怖い。

 その点、FXノックアウトオプションは分かりやすい商品性を持っている。

「この商品を買うときに、ノックアウト(決済)レベルと呼ぶ損切り注文の水準を決めるため、損失がどこで止まるのかがあらかじめ分かっています。そして想定通りに相場が動いて利益が膨らんでいく分には、いくらでも膨らませることができます。

 想定とは逆に動いて損切りの水準に達すると自動的に決済されて追い証が発生することはありません」(マクゴナグル代表)

 投資家にとって最も難しい作業が損切りだ。損切りラインを決めておくことは投資のセオリーだが、実際に損失が発生すると、つい欲が出て、「もう少し我慢しよう」と考えてしまい傷口を広げた経験は多くの投資家が持っている。ノックアウトオプションは、その難しい損切りを投資家に代わって確実にやってくれるわけだ。

逆指値とは違い指定価格での決済を保証

 とはいえ、FXにも逆指値という、設定の価格に達したときに自動的に注文を執行する損切りにも使える仕組みがある。マクゴナグル代表は、逆指値とノックアウトオプションの違いを次のように説明する。

「相場が大きく動いた時、逆指値はスリッページ(注文時点の価格と約定した価格の差)が発生することがあるため、損失が当初の想定以上に膨らむことがあります。ノックアウトオプションでは、ノックアウトレベルでの決済を保証しているので、損失が想定以上に膨らむことはなく、お客さまの資産を守ることができます」

 FOREX.comが提供するサービスは、ノックアウトオプションの他にFX、株価指数CFDがあるが、マクゴナグル代表は「個人のお客さまに向けて、さらに幅広い商品をそろえて提供したい」と話す。同時に、取引ツールの種類や使いやすさにも力を入れる。ツールとしては、パソコンのブラウザーからアクセスできる「FOREX.comウェブ」、スマートフォンやタブレットで取引ができる「FOREX.comアプリ」、アクティブな投資家に評価の高い「FOREX.com MT4」などがある。そして、マクゴナグル代表が「他社にはないツール」として胸を張るのが、AI(アルゴリズム)を活用した「パフォーマンス分析」という機能だ。

「これは当社のお客さまにもっと儲けていただくお手伝いをする社内開発ツールです。過去2年分、または最大1万件の決済取引を分析して、そのお客さまの取引戦略の強みはどこにあるのか、お客さまの投資に癖、勝率の高い時間帯、トレンドや保有ポジションなどの心理的要因がパフォーマンスにどう影響したのかといったことを分析することができます。当社のAIはとてもクレバーな分析をしてくれますよ」(マクゴナグル代表)

損失は小さく、利益は大きく 投資家の「願い」に応えるノックアウトオプションパフォーマンス分析の画面。自分の取引におけるベスト3とワースト3に加え、累積損益が表示されている。その他にも銘柄や取引のタイミング、各トレードについて細かく確認ができるようになっている
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 このようにダウンサイドリスクが限定されているという特徴を持つノックアウトオプションは、どのように使えばいいのだろうか。マクゴナグル代表はこうアドバイスする。

「投資初心者にも分かりやすい商品だと思いますが、特にアクティブにトレーディングする人、投資にたけている人に向いています。預貯金とも債券とも株式とも異なる商品性を持つため、ポートフォリオにうまく組み込むことで、お客さまの資産形成のお役に立てるはずです」

 「損小利大(損失を小さくして利益を大きくする)」という投資の格言がある。ノックアウトオプションは、まさにその格言を具現化した理想の商品といえる。