大手キャリア(通信会社)による携帯電話プランの値下げ競争が止まらない。A社が下げればB社も下げるという“チキンレース”が繰り広げられているので、今どこがいちばん安いのか、よく分からないほどだ。大手キャリアの料金プランは「親子割」や「家族割」といった条件付きのものが多いので、「本当に安いかどうか?」もしっかりチェックしなければならない。むしろ大手以外の格安SIMを選んだ方が、お得に使える可能性もある。
敷居が高いようで、実は乗り換えやすい格安SIM
値下げ競争のそもそもの始まりは、総務省が2021年10月に「モバイル市場の公正な競争環境の整備に向けたアクション・プラン」を公表し、武田良太総務大臣(当時)が大手キャリア3社に携帯電話料金の値下げを要請したことがきっかけだった。
同年12月から大手による怒涛の値下げラッシュが始まり、低料金を売り物とする格安SIM(大手キャリアから通信回線を借りて格安な通信サービスを提供しているSIMカード)と遜色のない水準にまで値下げした携帯電話プランも登場したが、どこがいちばん安いのか、今乗り換えるべきなのか、分かりにくい。また、スマートフォンや携帯電話に入っているSIMカードを挿し替えるというのが何となく面倒そうなので、敬遠していた人も多いのではないだろうか。
しかし実際には、SIMカードの交換はSDカードを挿し替えるのと同じくらい簡単だし、大手キャリアから格安SIMへの契約乗り換えも、ウェブサイトで手軽にできる。
唯一、乗り換える前に大手キャリアのサイトでMNP(携帯電話番号ポータビリティー)の予約番号を発行してもらう手間があるが、それさえ手に入れれば、後は格安SIM会社のサイト上でその番号を入力し、プラン選択などを行うだけで申し込み完了。後日、郵送されてきたSIMカードに挿し替えれば、すぐに開通する。
格安SIMは、デジタル機器に強く、ITリテラシーが高い特定ユーザー向けのサービスと思われがちだが、実は誰にでも簡単に利用できる、敷居の低いサービスなのである。