英語初心者でも海外大に
進学できるコースを確立
教育の特徴は、高校にダブルディプロマ(DD)コースが設置されていること。同コースの生徒たちは、文大杉並とカナダ・ブリティッシュコロンビア(BC)の海外校(BSCIS)の両方に在籍し、日本のカリキュラムと同時進行で、BC州が認可した教員による英語の授業を受ける。卒業時には、両国の高校卒業資格を取得でき、日本を含めた世界中の大学への進学の道が開かれる。DDの魅力は、日本の中等教育を欠かすことなく、高い英語力を養うことができる点にある。いわば国内にいながら海外留学をするようなものだ。
「DDコースの利点は、世界でも最高レベルのBC州教育カリキュラムを受けられること。授業では、自己表現をする時間が圧倒的に多く、プレゼンやものづくりの活動も多い。いわば本物のPBL型の授業が展開されています。生徒たちは、コミュニケーションツールとして英語力を磨きながら、授業を通して人との関わり方がすごく主体的になり、自分にない価値観を積極的に受け入れるようになります。社会人になってプロジェクトをこなしていくときの思考回路が、高校生の段階で与えられる感じです」(染谷教諭)
これまで総勢125人が卒業し、うち30人がカナダ・トロント大学をはじめとする海外大学に進学。その他の4分の1以上の生徒は、早慶上理ICUレベルの大学への進学を決めた。海外大学へはBC州での成績を持って進学、国内ではその多くが総合型・推薦型の入試で合格を果たしている。
このDDコースに進むために、中2からDD準備コースが用意され、中1では入学時の英語力のレベルに合わせて「DD7」「アドバンスト7」「スターター7」という授業を設けるなど、きめの細かい英語教育を実践。「昨年度中学3年生のうち、DDコース進学を希望した全ての生徒がカナダ試験に合格し、希望通りの進路実現を果たしました。これで中学の英語初心者が海外大学へ進学する道筋ができたといえます」と染谷教諭は、中高一貫の英語教育の成果を語る。