中学1年に「放課後学習メンタープログラム」を開始
日本大学豊山女子中学校・高等学校
黛 俊行中学教頭
黛 俊行中学教頭
そして今年度から力を入れるのが、中学1年を対象とした学習習慣と基礎学力の定着を目的とした「放課後学習メンタープログラム」だ。その狙いを黛俊行中学教頭はこう説明する。
「高校では探究学習に力を入れていますが、そのベースとなるのは基礎学力で、やらされるのではなく、自ら進んで勉強する習慣を持つことが大切。中学1年の時点で、その二つをしっかりと身に付けるため、放課後学習のサポートを充実させることにしたのです」
具体的には、月曜日から土曜日までの放課後、自習室を下校時刻まで開放し、学習をサポートする女子大学生のメンターが6人常駐する。ポイントは、学校の正式なプログラムとして実施するため、部活がない日の生徒は基本的に全員参加となる点だ。
「今年度からの試みは、全員参加で、宿題や苦手科目の克服に取り組みながら、基礎学力と学習習慣を付けること。学年全体が一緒に参加し、年齢の近い女子大学生がサポートしてくれることで、モチベーションも向上すると思います」(黛中学教頭)
自主性を育むためのノーチャイム制や全員清掃、茶道などの伝統的な女子教育に加えて、柳澤校長の下、自転車通学やリュックサックでの登下校の解禁、夏服のポロシャツや長袖シャツなど、学校改革を次々に進めている。コロナ禍でも、工夫して対面の文化祭を実施した。なお、高2で修学旅行を行えなかった高3は、卒業後の安全な時期に修学旅行を実施するなど、生徒たちの気持ちに最大限に寄り添っている。
「本校では約4割が女性の教員で、生徒との距離感が近いのが特徴です」と語る柳澤校長。卒業生たちの母校愛も強く、娘を入学させる卒業生も多いという。時代の風潮に流されず、保護者が安心して子どもを預けられる伝統校であることの証しだろう。