どんな生徒にも居場所がある男子校
日大豊山の部活集合写真。体育部の部活のイメージが強い同校だが、実は学芸部にもたくさんの部活があり、とても盛んだ
日大豊山のもう一つの魅力は“男子力”の育成にある。同校が考える“男子力”とは、心身共に強く、ルールを守る正しさを持つことに加え、思いやりの心や遊び心を大切にして、自由な発想ができる「大らかさ」を持つこと。ジェンダーフリーで異性を認められること。
新入生向けのメッセージを背景にした「書道部」の部員たち
体育部のイメージが強い日大豊山だが、学芸部の活動も盛んで、校内には多様な才能を持つ生徒たちが在籍している。どんな生徒にも居場所がある、その懐の深さも男子校の良さなのだ。
「本校の卒業生である私自身も、運動は大の苦手で物理部で活動し、放課後は秋葉原に出掛けて電子部品を買いあさるような生徒でした。共学校だったら女子にオタク扱いされたかもしれませんが(笑)、本校にはそういう生徒でも“市民権”を得られる環境があるのです。また数年前から、男の先生に育児休暇を取ることを奨励。男性も子育てに積極的に参加する姿を生徒たちに見せることで、ジェンダーフリーの意味を“生きる教材”で教えています」(松井校長)
写真左は「吹奏楽部」。学校行事だけでなく地域の行事にも参加。右は鉄道大好き「鉄道部」
2017年度のある卒業生は、昆虫が大好きで生物部に所属。自分の好きな世界に熱中しながら充実した6年間を過ごし、高校3年のときに日本大学生物資源科学部で開催された生物研究発表会で学部長賞を受賞。それをきっかけに同学部の森林資源科学科に進学したという。
日大豊山には、異性の目を気にせず好きなことに熱中できる6年間があり、多彩な進路選択が約束されている。卒業生の子弟が多いのも同校の特徴で、自ら経験した豊かな6年間をわが子にも与えたいと考える父親が多く、そのこと自体が日大豊山の魅力を物語っている。