1988年の設立以来、先端技術を含むIT開発技術と高品質なサービスで、世の中のさまざまな仕組み作りを手掛ける独立系のシステムインテグレーター、クレスコ。今年4月1日にコーポレートブランドロゴを刷新し「第2創業期」をスタートさせた。新社長に就任した冨永宏氏に意気込みを聞いた。

システム開発の要は高い技術力と人間力、新しいリーダーが示す第2創業期の挑戦冨永 宏
クレスコ
代表取締役 社長執行役員
とみなが・ひろし■1967年1月9日生まれ。90年にシステムエンジニアとしてクレスコに入社。以来、基盤システム事業部、ビジネスソリューション事業本部、経営管理本部などさまざまな部署でキャリアを積み、2022年4月1日に代表取締役 社長執行役員に就任。

──設立以来、順調に成長を続けていますね。

冨永 クレスコは、IT基盤系システムの開発会社と組込みソフトウエアシステムの開発会社が合併して誕生した会社です。創業時に作られた経営理念「クレスコ憲章」の一文には、「クレスコは最高の技術を発揮する会社である」と記されています。私は1990年に入社したのですが、入社したての若いエンジニアもクレスコ憲章を覚え、それを体現する文化が根付いていました。技術力を高めるために、ビジネスパートナー企業の新人さんも社員同様に育成する、という意識を皆持っていましたね。今でも技術力にはプライドがあり、当社の一番の強みです。

 東証1部(現・東証プライム)上場を果たしたのは2001年で、リーマンショック以降は毎期増収増益を重ねています。10年以降は、技術研究所や先端技術事業部を立ち上げ、新技術に挑戦し、並行して戦略的なM&Aや資本参加を行い、事業領域や営業拠点の拡大を図りました。22年3月期の連結売上高は444.5億円に達しています。

──現在の主な事業内容について教えてください。

冨永 主力はシステムインテグレーターとしてのITサービス事業で、エンタープライズ、金融、製造のセグメントでサービスを展開しています。技術領域は、システムの土台となるプラットフォーム構築技術、事業をデジタル化するアプリケーション開発技術、情報家電などを制御する組込みソフトウエア開発技術、AIやRPA(Robotic Process Automation)などの先端技術があります。先端技術については、研究開発部門があり、実ビジネスへの展開を図っています。

 もう一つの柱は、先端技術を用いたソリューション製品群を展開するデジタルソリューション事業です。クラウド活用ニーズにワンストップで対応する「Creage(クレアージュ)」というサービスや、提携先の他社製品を通して、お客さまのDX(デジタルトランスフォーメーション)実現を支援しています。