なぜ、RRDはマーケティング企業として世界を目指し現在のポジションを築けたのか。それは、「印刷物が、重要なプロモーションツールとして発展してきた米国企業にとって、マーケティングプロモーション領域は欠かせない分野であり、クライアントの要望に応えるためにはRRDにとって必要な成長であったからです。今や米国企業はRRDに新製品のコンセプトレベルから話を始めて、プロダクト・ポートフォリオ・マネジメントに至るレベルにまで関与を求めています」と松本ビジネス・ディレクター。クライアントからの厚い信頼が見て取れる事例だ。
日本におけるプリントビジネスの多くは、製品を開発した後に、広告代理店やデザイン会社などが、プロモーションにおける1ツールとして仕様を決め、「印刷してほしい」と依頼する形がほとんどだが、トータルマーケティングソリューションを提供するRRDは違う。
例を挙げよう。世界中でプロモーションを展開する、ある大企業は、対象となる国のさまざまな言語でDMを作成。本拠地であり先端ビジネスイメージのあるニューヨークから各国へ発送しグローバルレベルの付加価値をDMで訴求する。さらに対象国におけるローカルキャンペーンの全てを、RRDに任せている。これはRRDが4大陸・28カ国にその拠点を有し統一したキャンペーンの展開を担うことが可能な企業だからだ。
「このようにRRDは、グローバルイベントのコンセプト段階から参画し、各国ローカルにおいては各支社主導によるイベントの制作物の一括手配を任されています。非常に効果的なCI(コーポレート・アイデンティティー)の構築手法だと思います」(松本ビジネス・ディレクター)
また、3000店舗以上を展開するある大手飲食店チェーンでは、RRDが全店舗の店内レイアウトをマネジメントしているという。そのため、このチェーンが季節ごとの各種キャンペーンを検討する際には、RRDにコンセプトと基本的なアイデアを伝え、マーケティングコンセプトを基にした費用対効果の高い店内プロモーションプランの提出を求める。1枚のキャンペーンポスターが店舗にもたらす詳細な効果までをRRDが把握しているのだ。