レンタルのニッケンは、「建築現場や土木現場に建設機械を貸し出す会社」という印象が強いが、レンタル先はプラントや造船、イベント会場のような非建設分野にも広がっている。入社後は幅広い業界と接点を持って働ける面白い会社といえる。
レンタルのニッケン
南大太郎代表取締役社長(本名:南岡正剛)
南大太郎代表取締役社長(本名:南岡正剛)
レンタル業界の競争は熾烈だ。大手数社を頂点に2000~3000社がしのぎを削る中、大手の一角を占める三菱商事グループのレンタルのニッケンは建築・土木・設備の建設分野とイベント・鉄道・造船・プラントなどの非建設分野にビジネスの場を広げ、林業や農業分野も視野に入れている。
順調に業績を伸ばしている同社の強みは、「技術開発力にある」と南大(なんだい)太郎社長は胸を張る。
(上)道路と線路を自在に走行する機能を持ち、鉄道工事の効率化に大きな影響を与えた鉄道用ダンプ
(下)造船所で活躍する自走式高所作業車。足場を組まずに船の補修ができる
(下)造船所で活躍する自走式高所作業車。足場を組まずに船の補修ができる
「当社は創業者の時代から『お客さまの〝困った〟に応える』を掲げていて、世の中になくてお客さまが困っているものは、当社で作って貸し出すという発想で事業を展開してきました。創業者が『有料ボランティアの精神』と表現したそのDNAを大事に受け継いでいます」
開発力を示す分かりやすい例では、道路も線路も走れる鉄道用ダンプがある。線路の敷石を砕石場から線路上の現場まで効率良く運ぶことを目的に1989年に自社開発、鉄道工事の時間短縮に貢献した。このように〝困った〟に応え続けた結果、幅広い業界に接点が生まれ、取引顧客数4万社超、現場数22万7000、常時取引のあるメーカー数330社、燃料などの仕入れ・調達先1万4000社に達している。