「所有から利用へ」レンタルで循環型社会に貢献

レンタルのニッケン

「所有から利用へ」の
追い風が吹く

 日本経済が成熟し、消費者はモノを所有するのではなく、使いたいときに使う「所有から利用へ」という思考・行動様式に変化してきた。それは企業も同じで、レンタルビジネスは拡大を続けると予測されている。そこで同社は、「レンタルで循環型社会に貢献」をパーパスとして掲げ、SDGsの理念に沿った「長期ビジョン2030~ニッケングリーンカンパニー構想」を策定した。

「所有から利用へ」レンタルで循環型社会に貢献(左)シェア(意味:共有)
レンタルという一つのものを、多くの人と繰り返し使うシェア=共有が名前の由来
(右) キュア(意味:治す・癒(いや)す)
レンタルを通じて限りある資源を有効利用することで地球を癒す=キュアが名前の由来

 南大社長は、「(再生利用・再利用が可能で)環境への負荷が低いレンタル事業を通じ、持続可能な社会の実現、経済の発展に貢献したい。また脱炭素社会を実現するため、EX(エネルギートランスフォーメーション)をテーマとして取り組んでいきたい」と力を込めて語る。その決意の象徴として南大社長は「NIKKEN」のロゴマークの最初のNをコーポレートカラーであり、芽吹きを連想させるグリーンに染めた。

 DX(デジタルトランスフォーメーション)にも積極的で、2021年4月、顧客と自社の業務効率を図る「オンラインレンタル」をリリースした。これはスマートフォンやパソコンから注文や返却ができるサービスで既に2万超の会員登録があり、1万を超える現場で使われている。同社は22年4月にデジタル戦略本部を立ち上げ、デジタル化を強力に推進している。

9カ月間の丁寧な
新人研修で不安を解消

 同社が募集する職種は顧客の“困った”を聞き出し、解決策を考え提示する「営業」、顧客の問い合わせに対応する「内勤」、商品を点検・整備したり開発したりする「サービス(整備)」だ。研修制度が充実しているので、機械の知識がなくても困ることはない。入社後の3カ月間は「新卒研修」でビジネスマナーや業界知識、商品知識などの基本を学ぶ。その後は配属先で6カ月間の「OJT」があり、研修計画に基づいた先輩社員の指導やアドバイスによって業務を学んで独り立ちする。

「所有から利用へ」レンタルで循環型社会に貢献同社には「ビジネスネーム」と「さんさん運動」というユニークな制度がある。南大太郎社長の本名は「南岡正剛」氏だが、社内では、「南大さん」と呼ばれている

 その他にも、入社5年目前後の中堅社員向け研修、管理職登用研修などの「階層別研修」などがあり、節目ごとに充実した研修を受けられる。

 また、同社が導入しているユニークな制度──公私の区別を明確にするためのビジネスネーム制度と「さん付け」で呼び合うさんさん運動は、風通しが良く、自由にものが言える職場の実現に役立っている。

「所有から利用へ」の流れは、ビジネスの世界ではより加速しており、同社の未来には巨大な市場が広がっている。

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