長期的な視野で
人材をじっくり育てる
即戦力を求めるIT業界には珍しく、DISの人材戦略は徹底した「育成型」だ。採用は長年にわたり新卒がほぼ100%。最初の10年間は「成長期間」と捉え、各地でさまざまな業務を経験させながら、人材を長期的にじっくり育てるのがDISのやり方だ。
松本社長自身も、1989年に新卒で入社して以来、DIS一筋のプロパー社長だ。
「もともと当社のルーツは、祖業の紡績から派生したベンチャー企業です。それが情報化の進展とともに急成長し、売上高は私が入社した頃の20倍以上になりました。自分の経験を振り返ると、会社と共に成長できたことに、大きなやりがいを感じましたし、何より楽しかった。これから入社する社員にも『成長する喜び』を、ぜひ味わってほしいと思っています」
採用枠は総合職と一般職の二つ。総合職は、商慣習の異なる地域を複数経験し、地場の有力プレーヤーと連携してビジネスを展開する経験を積む。一方、転居を伴う異動のない一般職は、優秀な地元志向の人たちの受け皿になっている。
「ITに関わることなら、社内でどんな仕事でもできると自負しています。入社後にやりたい仕事が見つかったら、率直に希望を聞かせてほしい。会社として力いっぱい応援したいと思っています」と松本社長。
例えば一口に営業と言っても、扱う商材はハードからソフトまで多種多様。仕入れ先も販売先も幅広いので、あらゆる地域、あらゆる業界に向けて最適なソリューションを提案できる。近年ではサブスクリプションサービスに注力しており、販売店向けにさまざまなメーカーのサブスクリプションサービスを一元管理できるポータルサイトを立ち上げるなど、世の中のニーズに合う仕組みを企画し、日本のクラウド市場を拡大する役割を担っている。スムーズな流通を担う調達部門や出荷管理の業務も重要だ。
加えて、ICTの総合展示会「DISわぁるど」を主催したり、DXにまつわる研修コンテンツを発信するなど、エンドユーザーに有益なIT関連情報を届ける活動も広がっている。
こうした多様な働き方の選択肢を踏まえ、キャリアプランを上司と毎年話し合い一人一人の要望を確認。仕事で目指したい方向性はもちろん、どこで暮らし、どこで家族を持ち、どこで子育てをしたいかも含め、ワーク・ライフ・バランスに配慮した勤務地や職務、働き方をコーディネートしていくという。