新事業年度のスタートに向け、社内体制を強化し業務効率の向上に取り組む企業も多い季節だ。手作業や昔ながらのシステムを利用していた業務環境を最新のITに更新する際に注意するポイントは何か。公認会計士の神門剛氏は、財務基盤強化のためキャッシュフロー経営実践を提唱し、経理業務の効率改善のためのIT化を推奨する。

 国税庁の法人申告データによると、3月に決算期を迎える法人は、法人全体の約20%を占める。新事業年度を目前に控えたこの時期、社内体制強化と業務効率の見直しに取り組む企業も多いだろう。一方で、経営環境の変化が早い今日、組織や業務の見直しが間に合わず倒産してしまう企業も少なからずある。

 中小企業庁の統計によれば、2012年1月から12月の倒産件数は1万2124件。大半は販売不振や連鎖倒産などが原因だが、設備投資過大、売掛金回収難といった理由で倒れる企業もある(グラフ参照)。 

「こうした企業は、キャッシュフロー(C/F)を適切に把握すれば倒産は免れたかもしれない」と指摘するのは、事業再生・再建に詳しい神門剛公認会計士だ。

原因別倒産状況(2012年1月~12月)
出典:中小企業庁 統計「倒産の状況」(2013年1月25日)より