村田製作所様では、グローバルな生産拠点における設備投資の予実管理に弊社製品「fusion_place」をご利用ですが、案件別予実データだけでなく、発注や検収といった取引データを取り込んで、現場での業務を支援するとともに、経営レベルでの投資のきめ細かい実行制御を可能にされています。

 こうした詳細データをさまざまな角度から高速に集計・分析するのは、従来型の「リレーショナルデータベース」では難しく、また、要約データを想定した従来型の経営管理ソフトウェアでも難しいのです。

 現場を指向すると、当然ながら、データ量とユーザー数が増えます。東急様では100社を超えるグループ会社の管理会計データを、伝票レベルに至るまでfusion_placeに取り込み、グループ各社と本社の2万超のユーザーが同じデータを見ながら議論したり、意思決定したりできる環境を構築されました。

 現場力を喚起する経営管理を実現するには、事業部門ごと、機能部門ごとの異なる要件を吸収できる柔軟性や、経理の専門家でなくとも操作できるユーザビリティといった要素も重要ですが、より根本的には、詳細・大量データを要約データと統合し、高速に検索・集約できるテクノロジーが必要です。その点において、fusion_placeには優位性があります。

 案件別収支などの現場データは、多くの企業でデータベース化されておらず、現場のエクセル台帳の中に眠っています。そうしたデータを取り込む工夫がなければ、経営管理システムはきれいなグラフを描くだけのオモチャで終わってしまいます。fusion_placeはそうした視点に立ち、データベースのレベルから、現場力を喚起する経営管理を想定してつくり込んでいます。

現場が管理会計に責任を持ち
財務経理はその伴走役に

 現場力の喚起は重要ですが、会社としての財務報告は無視できません。

 もちろんです。事業部門や経営者にとって理解しやすい管理会計の数字が毎月報告され、それに財務的な修正を加えて財務報告が作成される形が理想です。そうすると、事業部門は、生に近い管理会計数値に責任を持ち、複雑な財務修正は財務経理部門が責任を持って実行するという分担が可能となり、後者は財務報告に対する高度な専門性を保持するとともに、事業部門の伴走役としての役割を果たしていくことができます。

 こうしたムーブメントを我々のテクノロジーで力添えし、財務報告と管理会計が区別されながらも統合された、経営者と事業部門にとって見通しのよい経営管理システムが、多くの企業で実現されていくことを願っています。

 

◉制作|ダイヤモンド社ブランドコンテンツチーム