惰性で行うとおカネを浪費する!
効果的な「大規模修繕」のやり方

【第3回】2013年2月12日公開(2013年2月8日更新)

 さらに、付加価値アップのため、共用廊下の床をシート張りから、高級感のあるタイル張りに変えることなども提案された。

 設計事務所から提出されたこうした工事の概算見積もりは、単純に比較できないが、それまで管理会社が提示していた金額より2~3割低かった。

 「実は、うちのマンションでは向こう25年の長期修繕計画があったのですが、当初の修繕積立金の設定が低く、想定された工事費用(25年分)の4分の1しか賄えないものでした。つまり、1回目の大規模修繕を行うと積立金は底をついてしまい、2回目以降については、修繕積立金の大幅な値上げや一時金が避けられない状況だったのです」

 こうしてLマンションでは、修繕委員会の報告をもとに臨時総会を開き、設計事務所の提案による工事仕様と予算案での大規模修繕工事を決定した。

 続いて実施した工事会社の選定では、金額だけでなく現場担当者の人柄なども考慮。それでも設計事務所の予算案よりさらに2000万円ほど安く、管理会社の当初の見積もりとの差は、なんと5000万円近くになった。

 工事は半年ほどかけて無事終了したが、修繕委員会では引き続き、2回目の大規模修繕工事へ向けて資金をどう確保していくか検討しているところだ。

実際の工事前には必ず
「建物診断」を行う

 Lマンションの例にもあるように、大規模修繕工事をタイミングや予算の点から効果的に実施するには、建物や設備について事前の「建物診断」が欠かせない。

 しかし、建物診断には専門的な知識や経験が必要であり、管理組合が自ら行うことはまず不可能だ。そこで、管理会社や工事を請け負う予定の工事会社に依頼するケースが多い。

次のページ

少なくともセカンドオピニオンを求める

TOP